578.網膜剥離の治療法

こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
早いものでもう4月です。今月から新生活をスタートされた方も多いのではないのでしょうか。
さて、今回のテーマは「網膜剥離の治療法」です。


網膜剥離とは、読んで字の如く網膜が剥がれてしまう疾患のことです。
網膜は眼球の内側にある薄い膜で、眼の中に入った光は網膜の上に像を結びます。

網膜剥離はその前兆症状として、チカチカとした光の点滅を感じたり、暗い部屋で突然稲妻のような光が見えたりする光視症や、視界に糸くずや虫のような物体が見える飛蚊症があらわれます。

網膜が剥がれてしまうとその部分に相当する視野が欠け、中心部まで及ぶと急激な視力低下や中心視野の欠損が生じます。

放っておくと網膜がすべて剥がれてしまい、剥がれた網膜には血液が供給されないため、時間が経つと失明してしまいます。

 

網膜剥離の発症要因にはさまざまなものがありますが、多くの場合では加齢に伴う硝子体の変化が関係しています。

目の内部を満たす硝子体は通常ゼリー状ですが、加齢とともに少しずつサラサラした液体に変化して、眼球の動きに連動して移動するようになります。

硝子体の一部は網膜と付着しているため、硝子体が移動することで網膜が引っ張られ、裂け目が生じることがあります。この裂け目から液体が入り込むことで、さらに剥離が進行します。

 

網膜剥離を治療するに当たり、当院ではレーザー手術による治療を行っております。
網膜にできた裂け目の周辺にレーザーを照射することで、裂け目の周囲の網膜とその下にある組織をくっつけ、それ以上網膜が剥がれないよう処置をします。

手術ではレーザーを照射するたびに「ピー」という音が聞こえます。麻酔の目薬を使用しますので、痛みはほとんど伴いません。疾患の状態にもよりますが、手術自体は10~20分程度で終わります。


技術の進歩により、網膜が元の位置に戻る率(網膜復位率)は向上しています。

しかし、視力の回復や視野の改善には限度があり、再剥離の危険性もあります。また、片目だけに生じた剥離であっても、その後もう片方の目にも網膜剥離が起きる場合もあります。

もう片方の目も含めて、術後の経過観察が重要です。

 


• 上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
• 一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
• 無断での記事転載はご遠慮ください。
• 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。


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