574.人間と動物で見え方が違うの?
こんにちは、池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
暖冬の暖かさとは異なる、春の暖かさを感じるころになりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「人間と動物で見え方が違うの?」です。人間と動物の見え方は違います。
見え方は、生き物の種類によってそれぞれの環境に適応できるよう必要に応じて進化していきます。
たとえば花の蜜を餌としている昆虫は蜜の濃い花びらの色を見分けたり、夜行性の動物は暗いところでも獲物がよく見えたりするのです。
生き物が色や物を見分けるには、暗いところで物を認識する桿体細胞と、明るいところで色を認識する錐体細胞の2種類の視細胞が関わってきます。
生き物によって持ち合わせている錐体の種類が違うので、色の認識も変わるのです。
人間の眼には3色型色覚、赤錐体、青錐体、緑錐体が存在しますが、ほかの動物には2色型色覚や4色型色覚と、生活をする環境で異なります。
たとえば私たち人間は、りんごを赤色と認識しますが、猫は2色型色覚で赤色を見分けられないため、りんごを緑色と認識します。
また、昼間や明るいところでは、人間の見え方と比べると解像度もあまり高くなく視界がぼやけていますが、暗いところでは物をはっきりと認識できます。
視野も人間と動物で大きく異なります。視野とは、一点に視線を固定させたときに見える視界の範囲のことです。
人間の視野は通常、片目の水平方向で耳側に90~100度、鼻側に約60度、上下方向では上側に約60度、下側に約70度と言われています。
文字だけだと想像するのは難しいですが、視野が広い動物と比べるとあまり広いほうではありません。
動物の視野は肉食動物か草食動物かで目の位置が異なります。人間と同じように平面に眼が付いているライオンなどの肉食動物は視野が狭く、目が横に付いているウサギなどの草食動物や魚類は広いと言われています。また、肉食動物の視野は80度~180度で両目の距離が近いと視野の重なりが大きく立体的に見えるのに対し、草食動物の視野は360度と広い範囲が見えますが立体感は劣ります。
眼は多くの生き物に体の一部として備わっていますが、見え方がこんなにも違うのはそれぞれが生きるために必要な個性です。さまざまな環境にいる生き物たちが、感じる色や視野の広さ、見えている景色が私たち人間とは違うと考えると、神秘的ですね。
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●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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