501.水晶体について

こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。そよそよと吹くこの涼風、皆様はいかがお過ごしでしょうか。今週のテーマは【水晶体】です。


<水晶体とは>
カメラに例えると凸レンズの部分のことです。
角膜は黒目の一番外側、その中に水晶体があります。
水晶体は、その多くが水とたんぱく質からできていて、大きさは直径9mm、厚さ4mmぐらいの凸レンズのようなカタチをしており、ほとんど無色透明です。

 

 

<水晶体の役割>
見える世界をゆがまないように光の屈折を調節して、網膜に映し出すという大切な役割を持っています。
また,単に光を屈折させるだけでなく,目にとって害のある紫外線を吸収し,紫外線が網膜に達するのをふせいでいます。

<水晶体を通して目が見える仕組み>
カメラと異なり、ヒトの目のレンズである水晶体はそのカタチが変化します。近くを見るときは、この水晶体が分厚くなり、逆に遠くを見るときは水晶体が薄くなります。凸レンズは厚みが大きくなると屈折率も大きくなり、近距離で焦点を結びます。逆に薄くなると屈折率は小さくなって、焦点も遠くなります。このように厚みを変えていろいろなところにピントを合わせて、世界を映し出すのがヒトの目の水晶体なのです。

 

<年齢による水晶体の特徴>
水晶体は赤ちゃんのときには丸いカタチをしていて、強い屈折率を持っています。そして20歳を過ぎる頃から、だんだん年をとっていくにつれて、水晶体の柔軟性が下がって、ピントを合わせる力(調節力)が弱くなってきます。40歳を過ぎると眼前30cmより近くのモノが見えにくくなります。これがいわゆる「老眼」と呼ばれる状態です。

 

<水晶体の病気>
・水晶体偏位/水晶体脱臼 
水晶体を眼球壁に固定しているチン小帯と呼ばれる細い糸が、眼球打撲などで切れて支えを失い、硝子体に落ち込んだりした状態を水晶体脱臼といいます。


・白内障
水晶体が濁ってしまうのが白内障です。
水晶体全体に混濁がある場合には、視界全体がぼやける、かすむといった症状が現れます。
水晶体の中心のみに混濁が認められる場合には、屈折異常が起こることが多く、近くのものばかりが見えるようになります(近視化)。
屈折異常により眼球内で光が散乱してしまうため、明るい場所にいる場合や逆光になった場合にまぶしさを感じ対象物が見えにくくなります。また、対象物が二重に見えることもあります。そのほか、色の区別がつきにくい、暗くなるとものが見えにくいといった症状などが挙げられます。

多くは加齢変化で、構成成分の蛋白質が白濁して起こります。治療は濁った水晶体を取り出し、眼内レンズで置き換える手術が確実です。
新宿院でも白内障手術を行っていますので詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.shec.jp/cataract/timing/

 

 

・上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい

・一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。

・無断での記事転載はご遠慮ください。

・本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。

※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。

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