490.霰粒腫と麦粒腫の違い
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。梅雨明けが待たれる今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。本日のテーマは「霰粒腫と麦粒腫の違い」についてです。
どちらも「ものもらい」として広く認識されており、症状もまぶたの一部が赤く腫れるなど似ている点も多いため混同されやすい疾患です。しかし厳密には「ものもらい」は麦粒腫のことであり、麦粒腫と霰粒腫は原因も症状も違う別の病気です。
まず、霰粒腫の原因は瞼の縁にあるマイボーム線の出口が詰まり、中に分泌物が溜まってしこりのような塊ができることによって起こります。細菌感染によって起こるものではありませんが、炎症が起こり急性化膿霰粒腫に変わることもあります。症状としては腫れや異物感はありますが、痛みがないという点が麦粒腫と違う点です。霰粒腫は治療が長引く傾向があり、治るまでに数ヶ月かかることもあります。場合によっては手術なども必要になります。
一方、麦粒腫は霰粒腫とは異なり細菌感染によって起こるもので、汗を出す腺やまつ毛の毛根、マイボーム腺からブドウ球菌が入り込むことによって炎症が起こります。細菌感染が原因といっても、ほかの人にうつることはありません。最初はまぶたの一部が赤くなり、軽度の痛みやかゆみなどの症状が出ます。さらに炎症が強くなってくると強い痛みや腫れなどの症状も出てきます。麦粒化膿や炎症を抑える抗生物質の点眼液や軟膏で治療を行っていきます。霰粒腫とは違い、麦粒腫は通常は一週間からほどで症状が軽快していきます。
このように霰粒腫と麦粒腫は炎症が起こる原因や症状に違いがあるため、それそれの病気の違いをよく理解し、適切な治療を受ける必要があります。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
●すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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