454.眼科ドックの結果に「視神経乳頭陥凹(かんおう)拡大」って書いてあるけどこれって何?
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。季節も秋らしくなり過ごしやすい日が続いております。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか?
今回のテーマは眼科ドックの結果に「視神経乳頭陥凹(かんおう)拡大」って書いてあるけどこれって何?です。
●視神経乳頭陥凹拡大とは緑内障疑いの所見で記載されます。
眼科ドックにて「視神経乳頭陥凹拡大」と記載があれば、「眼科にて緑内障に関する検査を受けてください」ということです。
しかし、あくまでも疑いです。生まれつき視神経乳頭陥凹が大きい人もたくさんいます。そのような指摘があっても治療対象外もよくあります。
つまり大事なことはそれが病的な変化なのか。それとも異常を伴わない所見なのか精査する意味で鑑別することが非常に重要です。
●視神経乳頭は視神経繊維の「束」。
眼の奥には視神経乳頭と呼ばれる直径約1.5mmの円形ないし楕円形の姿を呈し、色は明るいオレンジ、中央にくぼみ(陥凹)があり血管または視神経線維にとっては唯一、入口の役割を担っています。つまり視神経乳頭は視神経の唯一の通り道であり、唯一であるからこそ結束しています。
●視神経は情報をつなぐケーブル。
視神経乳頭から顔を出した視神経繊維束は網膜表面全体に拡散していきます。そして網膜全体で得た光情報は広がったこの視神経を通り視神経乳頭へ帰着します。つまり視神経は眼で得た情報を脳へ伝達する「ケーブル」と言えます。
●「視神経乳頭陥凹拡大」は視神経が減っている結果かもしれない。
どんな人でも視神経乳頭の凹み(陥凹)は観察できますが、この凹みが大きいと警戒が必要です。視神経乳頭の凹みが小さかった人がよりそれが何かしらの要因で広くなった場合、広がったスペースの分だけ視神経は端に追いやられ窮屈に「圧迫」されているからです。
圧迫され続けたケーブルは電気の送りが悪くなり、いずれは断線します。
圧迫され続けた視神経はどうでしょうか。
ケーブル同様、眼で得た情報は正常に脳へ送られなくなりいずれは伝達能が絶たれます。
視神経は圧迫され続けると減っていき、眼でキャッチした情報が脳へ伝達しづらい状態になります。
それが緑内障症状の視野欠損という症状です。
そしてなにより視神経は再生できません。
つまり、一度視神経が減ってしまうと対応した視野は回復できません。
したがって眼科ドックなどで早期発見し、それ以上進行しないように予防または治療に努める必要があります。
●最後に
緑内障所見は「視神経乳頭陥凹拡大」だけではありません。
眼科ドックにて他に「乳頭出血」「視神経繊維束欠損」と記載があればやはり緑内障疑いが強まります。これらも代表的な緑内障所見です。
当院では緑内障に関する精密検査(ハンフリー視野計、ゴールドマン視野計、OCT、眼底カメラなど)が手厚く行え、医師も緑内障専門と構えております。
もし眼科ドックにおかかりになり、以上のような記載があれば当医院までお越しください。最善の医療体制でご案内させていただきます。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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