440.赤ちゃんと大人の目の見え方って違うの?

こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
今回のテーマは「赤ちゃんと大人の目の見え方って違うの?」です。

 

実は、子供の視力や視野は大人とは全く違います。
赤ちゃんの目は産まれた時点で「器官」としてはほぼ完成していますが、視力などの「機能」は成長とともに発達します。 

新生児のときは、目がほとんど見えていません。光を感じることはできますが、両目の協調性がなく、左右の目を上手に連動させることができません。

 

3か月頃になると、視力は0.01~0.02くらいになり、動くものを目で追う「追視」ができるようになります。物の色も輪郭も全体がぼんやりしている段階ですが、人間の顔とそれ以外の形が区別できるようになります。

 

6か月頃には、首がすわり視野が広がり始めます。視力は0.04~0.08くらいになり、ものの輪郭がうっすら見える状態となります。両目の協調性が完成し、左右の目が1つのものを追うようになります。

 

1歳~3歳頃になると、奥行きや高さの認識、物の立体感距離感を感じられるようになり、ものの形の区別ができ始めます。より細かいものを見分けることができるようになります。視力はおおよそ0.2から0.6くらいになります。視界が大人に近くなり、丸・三角・四角などの、形の区別も分かるようになって、半数以上の子供が3歳の頃には1.0の視力(大人並の視力)を持つようになります。年齢とともに1.0程の視力を持つ子供の割合は増えていき、6歳頃には、ほとんどの子供の視力が大人並みになります。

 

赤ちゃんや子供と大人の見え方の違いとして大きいのは、視野です。大人並の視力が出始める6歳くらいの子供も、平均的な視野は左右(水平)で90度程度、上下(垂直)で70度程度とされています。大人の平均的な視野が水平で150度程度、垂直で120度程度とされていることを考えると、子供の視野がとても狭いことが分かります。

 

子供は転びやすかったり、ものにぶつかったりすることがありますが、視野の狭さはその理由の1つとして考えられます。

大人の感覚で「たぶん見えてるだろう」と思っても、子供自身は見えていない可能性も十分にあります。幼児は『視野が狭い』『視力が低い』という認識を持つと良いかと思います。


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