439.視界に黒い虫がみえたら?
今週のテーマは
「視界に黒い虫がみえたら?」です。
「視界の端に蚊が飛んでいるように見える」「常に黒いものが見えている」というのは、いわゆる「飛蚊症」と呼ばれる症状です。
◎ 飛蚊症とは
視界に黒い点や蚊のようなものが浮かび、目を動かしてもついてくるのが飛蚊症の症状です。見え方は人によっても異なり、糸くずや蛙の卵のように見えるという人もいます。このような症状が現れる飛蚊症は、老化などの生理的現象によるものと、眼の病気によって起こるものとに分けられます。
◎ どうして飛蚊症になるのか
生理的な飛蚊症の多くは、目の老化によって透明な硝子体が濁ることによるものです。老化が進むと、硝子体は縮んでしまい、網膜から剥がれてしまいます。この症状を「後部硝子体剥離」と呼びます。後部硝子体剥離は50代以上に多く発症しますが、稀に、生活習慣の乱れなどにより20代で起こる場合もあります。飛蚊症を自覚し始めたら、後部硝子体剥離かどうか、その合併症があるかどうか、その他問題となる疾患があるかどうかを調べるため、診察が必要です。
飛蚊症が病的な場合は、ひどくならないうちに治療を行う必要があります。
硝子体が網膜から剥がれる際に、網膜の表面にある血管が破れ、出血し、飛蚊症が起こります。黒い点のほか、暗い場所で光が見えたり、急に視力が落ちた、目がかすむなどの症状が見られたら、病気の初期症状として飛蚊症を発症していることが考えられます。
最も危険性が高いのが網膜剥離です。網膜剥離は、眼球の内側にある網膜が剥がれて視力が低下する病気で、放置すると失明する危険がある恐ろしい病気です。この網膜剥離の前兆として、飛蚊症が現れることがあります。症状を自覚したら、早めに眼科を受診しましょう。
- 一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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