295.健康診断の眼底検査でわかる病気

こんにちは、池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「健康診断の眼底検査でわかる病気」です。

健康診断や人間ドックで、眼底検査をされた経験はありますでしょうか。
眼底は人間の体の中で唯一血管を直接見ることができる部位であり、眼底を観察すると眼疾患だけでなく、全身疾患も発見することが出来ます。

「どんな病気が見つかるか」
検査結果に記載される項目と、それに関する疾患をいくつかご紹介します。

・神経乳頭陥凹(かんおう)/神経繊維層(または繊維束)欠損/カッピング
これらの結果はすべて、「緑内障の疑いがある」ということを示しています。緑内障は徐々に視野が欠けていく疾患で、初期の自覚症状がほとんどないため、早期発見・治療が非常に重要です。
・網膜出血
眼の一番内側の膜である網膜に出血がある状態です。出血には様々な原因がありますが、糖尿病や高血圧などの全身疾患が原因の場合もあり、眼底から全身疾患を推測することが出来ます。
・軟性白斑
網膜に綿花のようなやわらかい白斑がある状態です。白斑は毛細血管の閉塞により発生し、網膜の循環障害・虚血を意味しています。これもまた、糖尿病や高血圧が原因となり得る所見です。
・判定不能
白内障・硝子体混濁・硝子体出血等、網膜より手前の部位(水晶体や硝子体)に疾患がある場合、眼底が見えず判定不能となることもあります。

「精密検査ではどんなことをするか」
健康診断や人間ドックの眼底検査は、多くの場合 無散瞳の状態で行われますが、眼科で行う精密な眼底検査は、目薬を点眼し散瞳の状態で行います。
散瞳とは、目薬を点眼して瞳(瞳孔)を大きく広げることです。大きく開いた瞳孔から眼の奥を観察することにより、無散瞳状態より詳しく眼底を観察することが出来ます。
目薬を点眼してから20分程度で瞳が広がり、効果が消失するまでに個人差はありますが3~5時間程度かかります。その間、眼の中に入ってくる光の量が通常より多くなるため、まぶしさを感じたり、手元(携帯電話の画面・コンピューターの画面・本屋新聞 等)にピントが合いづらい状態が続きます。安全のため、車・自転車・バイク等全ての運転を控えていただきますので、徒歩または公共の交通機関での来院をお願いしております。
また、当院では眼底カメラでの撮影だけでなく、OCTを使用しての検査も行っております。
眼底カメラは眼底表面の状態の写真を撮るものですが、OCTは目の断面の写真を撮ることができます。表面の所見からはわかりにくい網膜の状態を明らかにすることができ、治療方針の決定や、治療効果の判定に有用な検査機器です。

健康診断の結果には、上記の他にもさまざまな所見が記載されます。初期には自覚症状がない疾患も多いため、要精密検査等の記載がある場合には、早めに眼科を受診しましょう

● 上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
● 一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
● 無断での記事転載はご遠慮下さい。
● 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。

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