294.乱視とは

こんにちは。暑くなってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今回のメルマガのテーマは「乱視とは」です。

<乱視とは>

乱視とは近視・遠視と同じ屈折異常のひとつです。角膜や水晶体の曲率(カーブ)が歪み、均一でないことから、屈折が強い方向・弱い方向が発生し眼の中で像が1点に結像しない状態です。一定の角度で規則的に歪んでいる「正乱視」と、円錐角膜・翼状片・角膜のキズなどによる角膜表面の不規則な歪み、水晶体の亜脱臼・水晶体の濁り(白内障)などの、眼科的な疾患が原因になって生じる「不正乱視」があります。正乱視は眼鏡のレンズでの矯正が可能ですが、不正乱視は眼鏡のレンズでは矯正が出来ません。  

【主な症状】
乱視の主な症状としては、近くも遠くも見えにくくなる「視力障害」や、片眼で見ても物が二重に見える「単眼複視」や、乱視を調整しようとして眼が疲れる「眼精疲労」などがあります。たとえば、暗いところで物が見えづらく感じたり、道路の表示や信号の矢印が判別しにくいといった症状です。
【乱視の種類】
正乱視は、角膜のゆがんでいる方向で直乱視、倒乱視、斜乱視に分けられます。

直乱視
角膜のカーブが縦方向がきつく、横方向はゆるい形状をしています。球を上下に押しつぶしたイメージです。乱視がある人で一番多いパターンです。  

倒乱視
角膜のカーブが横方向がきつく、縦方向はゆるい形状をしています。球を左右から押しつぶしたイメージです。直乱視に比べるとかなり少ないです。  

斜乱視
角膜のカーブがななめ方向がきつく、それに対して90°方向はゆるい形状をしています。球を斜めに押しつぶしたイメージです。
乱視がある人で一番少ないパターンです

<矯正・治療法>
◎正乱視
1番手軽で安全な矯正方法であるメガネは、主に正乱視の場合に使われ、「円柱レンズ」というものが使用されます。角膜の歪み(湾曲)が強い方向からの光の屈折をこのレンズで調整します。また、最近では乱視用のコンタクトレンズ(https://www.ikec.jp/ransicl.html)も色々なタイプのものが販売されています。

◎不正乱視
先述の円柱レンズは、不正乱視にはなかなか矯正効果を発揮できません。角膜が原因の角膜不正乱視の矯正には、ハードコンタクトレンズを使用するのが一般的です。角膜の不規則な凸凹の表面をハードコンタクトが覆う事によって矯正します。しかし角膜の疾患が重度になってくるとハードコンタクトの効果では矯正しきれず、角膜移植を考え始めなければならなくなります。
また、さかさまつげやコンタクトレンズトラブルなどの表面の傷による角膜不正乱視は、まず付いてしまった角膜の傷を跡が残らないよう早く治療する必要があります。
水晶体乱視の場合は眼鏡やコンタクトでの矯正は難しくなります。水晶体の脱臼に対する治療や、白内障の手術を検討する必要がでてきます。

当院では、主に「メガネ」「コンタクトレンズ」で治療を行なっております。お気軽にご相談ください。

● 上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
● 一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
● 無断での記事転載はご遠慮下さい。
● 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。

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