247.ルテインとは
こんにちは池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
連日残暑の厳しい日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「ルテインとは」です。
1.ルテインとは
ルテイン(Lutein)とは強い抗酸化作用を持つカロテノイドの一種で、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれる成分です。人間の体内器官や皮膚にも存在し、乳房や子宮頚部に多く存在することが知られています。
私たちが物を見るとき、映像は角膜、前房、水晶体、硝子体を通り、網膜黄斑部へ投影されます。特に眼の水晶体と黄斑部に存在する主要なカロテノイドはルテイン(Lutein)とゼアキサンチンであるため、これらの部位が正常に機能するために重要な働きを果たしています。ルテインは、網膜全体と水晶体に多く含まれ、一方のゼアキサンチンは、網膜の黄斑部と水晶体に含まれます。
米国ハーバード大学のハンキンソン教授の研究では、ルテインの豊富なホウレンソウをたくさん食べることで、白内障の発生率が大幅に低くなったことを確認しています。また、ハーバード大学のセッドン博士が発表した研究によると、ルテインを日常的に摂取したグループは、ほとんど摂取していなかったグループに比べて黄斑変性症の発生率が43%も低かったというデータがあります。
ルテインが減少することで、太陽光線の影響を受け、視力低下や眼の病気を引き起こしやすくなるといわれています。近年の研究により、水晶体・黄斑部のルテインの量が少なくなると、白内障・加齢黄斑変性(AMD)といった眼病の要因になりえるともいわれるようになりました。そのため最近では、ルテインは、目の健康補助食品・サプリメントとして注目されています。体内のルテインは、加齢や、紫外線を浴びたり、煙草を吸ったりすることで少しずつ消費され、減少していきます。ルテインは体内で生成できないため、日々の食事を通じて継続的に摂取することが大切です。
2.ルテインが効果があるといわれている病気
①加齢性黄斑変性
加齢黄斑変性症は網膜中央の黄斑部が加齢によって破壊されて、ものが正常に見えなくなる疾患で、高齢者 の失明原因のひとつです。治療法はレーザー光固術、光線力学療法、抗VEGF薬、ステロイド薬の注射が主流となっています。ルテインを摂取することによって、黄斑と網膜のための大切な要因である黄斑色素濃度を高めることができるといわれています。
②白内障
白内障とは水晶体(レンズ)が濁る病気です。白内障は進行すると手術が必要になります。水晶体のにごりを取り除き、人工の水晶体である眼内レンズを移植する手術を行います。網膜や視神経、角膜などの他の部分に問題がなければ、視力低下の回復が期待できます。
ルテインを外から補うことによって、もともとあった働きを再強化し、白内障を改善する効果があると言われています。
★当院の併設のJコンタクトでは
ルテインを含むサプリメント
「サンテルタックス15」「サンテルタックス20」
を取り扱っております。サンテルタックスをご希望の場合は医師にご相談ください。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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