225.PC作業で眼が疲れたときは
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
冬も終わりが近づいておりますが、引き続き寒さが続いております。風邪など引かないよう、皆様どうぞご自愛下さい。
さて、今回のテーマは「PC作業で眼が疲れた時は?」です。
PC作業を長時間行うことによる目の疲れ、痛み、乾きなどの症状をVDT症候群といいます。
目の疲れの原因としては、発光体である画面を見続けることによって、自覚はなくとも視神経にとってまぶしい状態を長時間続けることで疲れを感じてしまうというものがあります。また、PC画面と手元の書類の視線移動によって眼の筋肉が疲労してしまうこともあります。
集中してPC画面を見ている時は、普段の状態と比較し、まばたきの回数が減少している事が多いこと、また、目を見開いていることによって目が乾いてしまいドライアイの症状を併発してしまうこともあります。
<治療方法>
当院では点眼液、アイホット 、涙点プラグによる治療に取り組んでいます。
A.眼精疲労 -疲労回復-
1.点眼薬による治療について・・
眼精疲労の症状を訴える患者様に対して以下の点眼液の処方を行っております。
・調節機能改善薬
作用と効果:眼のピント調節に関係する筋肉の働きを改善させたり、調節機能の異常を改善する作用があります。
2.アイホットによる治療について・・
アイホットは皮膚への浸透力のある赤色光を使用したあんぽう器です。眼の周辺を暖めることによってマイボーム腺が温まり、マイボーム腺の脂分の分泌が促進されます。分泌した油分は眼の疲れを癒す最適な油層を眼の表面に形成します。
3.ワックによる治療について・・
検査器の中の美しい風景を約5分間眺めることにより、目の緊張を解きます(雲霧法)。
眼精疲労の軽減、子供の近視の進行予防、内側に寄ってしまった視線を平行に保つ効果があります。
当院にはございません。
※その他の治療法
●洗眼・・・目のゴミや埃などの不純物を洗眼液(生理食塩水)で洗い流します。
●目を冷やす(アイスパック)・・・眼球周辺の筋肉を引き締め、充血を防ぎます。
●低周波を当てる・・・低周波の刺激で目の周辺組織を活性化させます。
●マッサージ・・・眼球周辺、頭、首、肩などをマッサージします。
B.ドライアイ ―疲れを取り除く―
ドライアイの症状を訴える患者様に対して以下の点眼液の処方を行っております。
目の疲れと思っていても、その実態がドライアイである場合、ドライアイを治療することによって目の疲れが改善されます。
1.点眼薬による治療について・・
・角結膜上皮障害治療用点眼薬
作用と効果:角膜上皮細胞の接着、伸展を促進し、角膜上皮の創傷の治癒を促進します。また、涙を保持し安定させて目の乾燥を防ぎます。
・水分分泌促進点眼剤
作用と効果:涙の成分であるムチンや水分の分泌を促進し、涙の状態を改善することで角膜結膜上皮の障害を改善します。
2.涙点プラグ(涙点閉鎖)による治療について・・
涙は目の表面から蒸発する以外はほとんどが涙点から鼻に出る為、涙点を閉じて涙の流出を抑え、涙を眼の表面に十分に溜める方法です。
①シリコン製涙点プラグ(パンクタルプラグ)による涙点閉鎖
医療用具承認番号:22100BZX0109300
パンクタルプラグF(製造販売元:株式会社トーメーコーポレーション)は、新型のシリコン製プラグです。挿入前はプラグが細長くなっており、涙点サイズの計測を行わなくとも挿入が容易にできるようになっています。短所は適応サイズが少ない事です。
また挿入用のインサーターに予めプラグがセットされているため、挿入しやすく、挿入時の埋没等のリスクも軽減されています。
②シリコンプラグによる涙点閉鎖
医療用具承認番号:21200BZY00283000
スーパーフレックスプラグ(ホワイトメディカル)
サイズが豊富なので、小さな涙点から大きな涙点まで対応できます。
③コラーゲン製涙点プラグによる涙点閉鎖
医療用具承認番号:21900BZZ00027000
コラーゲン製涙点プラグ
コラーゲン製涙点プラグは生体適合性の高いアテロコラーゲンを使用しており、体温によりゲル化する特性を利用して、
充填時には液状のため簡単に充填でき、涙小管内ではやわらかいゲルとなり刺激が少なく、かつしっかりと涙点を閉鎖できます。
※ 主成分が水溶性のコラーゲンのため、最終的には体内で溶けてなくなります。
<予防方法>
予防方法としては以下の5つが挙げられます。
1:長時間の作業を行う際には1時間に10分程度の適度な休息を取る。
2:軽い体操をして体をほぐしたり、遠くの景色を見て眼の疲れを取るなどする。
3:ディスプレイの位置を目の高さよりも低くセッティングする。
4:反射光を抑えるフィルターを装着することも有効。
5:室内の照明環境を明るく保つ。 (暗い部屋での作業は避ける。)
※ 当院ではPC作業用のメガネの処方箋もお出ししております。ご来院した際にはお気軽にお声掛け下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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