184.治療用コンタクトレンズ
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
皆様体調にお気をつけ下さい。
今回のテーマは「治療用コンタクトレンズ」です。
コンタクトレンズは、視力補正の目的で処方される通常のものの他に、目の病気の方への治療の一環として用いられる、治療用コンタクトレンズも存在します。治療用コンタクトレンズは、白内障などの手術後に目を保護する為に使うものや、円錐角膜という目の疾患の方に用いられるものなど、様々な用途・材質のものが存在します。
● 術後の角膜保護のためのコンタクトレンズ
白内障など目の手術を受けた直後の傷口の保護、角膜の疾患があり眼を保護する必要がある場合に、透明な絆創膏としてソフトコンタクトレンズが用いられる事があります。コンタクトの着脱は基本的に病院にて医師が行います。またコントクトの上から治療用の目薬を点眼する事により、薬を眼に長く留まらせる効果を狙う場合もあります。すべては、医師の具体的な指示の上で行います。
● 円錐角膜の治療に対するコンタクトレンズ
円錐角膜とは角膜に起こる非炎症性変性疾患で、角膜が薄くなり、前方へ円錐状に突出してくる進行性の病気です。多くは両眼性で、初期の段階では診断がつきにくく乱視と診断されることもよくあります。進行の度合いは人により様々で、数ヶ月の間に進行する場合もありますが、何年もかけて進行する場合もあります。若年層の発症が多く、10代~20代が最も重くなり、その後は進行が徐々に治まっていくケースが一般的です。発症率は診断技術の向上により、1000人に1人や2000人に1人とも言われています。20歳前後頃まで眼鏡あるいはソフトコンタクトレンズで矯正できた視力が矯正できなくなり、眼科を受診して診断されることが多くあります。
原因についてですが、現在様々な研究がおこなわれていますがはっきりした原因はわかっていません。一般的には、遺伝性の病気ではないと考えられています。発症に性差(日本では男性:女性=3:1)があるため、ホルモンとの関連が推測されていますが、まだ確定しておらず、目をこするくせやアトピーとの関係が深いとも言われています。
視力低下や見え方のゆがみが初期症状ですが、ごく初期には、まぶしさや光に過敏になるなど見え方に軽い変化がおこるだけです。右目と左目の症状に差があることもあります。病気が進行して、角膜の突出がつよくなり、角膜に濁りが生じると見え方にゆがみが生じます。また、角膜に浮腫(腫れ)がおこって突然視力が低下することもあります。この角膜の腫れは、角膜が円錐状に突出することによって、角膜の内面にある弾性繊維の膜に小さい裂け目が生じておこります。この角膜の腫れは数週間から数ヵ月間続きますが、裂け目が修復されると徐々に瘢痕組織に置き換わります。
その円錐角膜の治療には、原則としてハードコンタクトレンズを使用します。
多くの場合、ハードコンタクトレンズを使用することで、視力を維持することができるのと同時に、病気の進行を抑制することができます。どうしてもハードコンタクトレンズの異物感が耐えられない人には、ピギー・バック法といってソフトレンズの上にハードレンズを重ねる方法があります。円錐角膜が進行すると特別なデザインのハードコンタクトを装用しないと視力が得られなくなります。様々な種類のメーカー(メニコン、アイミー)、レンズがあるので自分に合った物を見つけることが大切です。また、年に数回コンタクトレンズのチェックと、進行の有無を調べる定期健診が必要です。
ただし、ハードコンタクトを装用できない、装用しても視力が出なくなってしまった場合は、角膜移植などの手術が必要となってきます。
●その他にも
またコンタクトレンズは目に直接のるという構造上、眼鏡と比べて像の歪みや違和感が少ないという特徴があります。その性質を利用して、度の強い眼鏡では違和感が強くて眼鏡をかけていられない強度近視・遠視の方、左右の目の度数が大きく違うために両目で像の大きさが異なってしまい違和感を訴える不同視の方などにはコンタクトが向いている場合もあります。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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