823.子供の近視を改善するには
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
寒さが一段と厳しくなり、師走の慌ただしさが感じられる季節となりました。皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
最近、子供の近視が急速に増加しています。特に、学童期や思春期に発症し、成長とともに進行することが多い近視は、早期に適切な対策を講じることが重要です。今回は、子供の近視改善に向けた生活習慣について、いくつかのポイントをお伝えいたします。
1. 近視の進行を促す生活習慣
生活習慣は、近視の進行に大きな影響を与えます。特に、以下のような習慣が近視を進行させる原因となります。
• 近くばかりを見る時間が長い
長時間、近くの物を見続けると、目が近くに適応し、近視が進行しやすくなります。読書や勉強などで近距離を長時間見ることが続くと、目の筋肉に負担がかかり、近視が進む原因となります。
• スマートフォンやパソコンの使用
最近では、パソコンやスマートフォンを使う時間が増えており、特に子供たちは学校の授業でもパソコンを多く使用しています。このようなデジタル機器を長時間使うことが、近視を加速させる要因となります。
文部科学省の2019年度学校保健統計調査によると、裸眼視力が1.0未満の児童生徒は増加傾向にあり、小学校34.6%、中学校57.5%、高校67.6%と、いずれも過去最多となっています。特に中学生や高校生になると、スマートフォンを持つようになり、画面を見る時間がさらに長くなります。これにより、近視がさらに進行することが懸念されています。
2. 視力を守るために実践したいこと
では、近視進行を防ぐためにはどのような対策を取れば良いのでしょうか?
• 適切な休憩を取る
長時間、近くを見ることは目に負担をかけます。1時間に1回、10分程度の休憩を取り、目をリフレッシュさせることが大切です。外を見たり、遠くの景色を見たりすることで目の筋肉をリラックスさせましょう。
• 屋外活動を増やす
目の健康には、外遊びが非常に有効です。屋外で過ごす時間が長いほど、近視の進行を抑える効果があると言われています。1日2時間以上の屋外活動を推奨していますので、積極的に外で過ごす時間を作りましょう。
• 正しい姿勢と照明
学習や読書をする際は、適切な姿勢と明るい照明を心がけましょう。暗い場所での作業や、猫背になって読むことは目に悪影響を及ぼします。
3. 近視進行を遅らせる治療法
最近では、近視進行を遅らせるための治療法がいくつか登場しています。例えば、自費診療にて受けられるオルソケラトロジー(夜間装用型コンタクトレンズ)や低濃度アトロピン点眼薬は、近視の進行を抑制する効果があるとされています。低濃度アトロピン点眼による治療については、当院での相談も行っておりますので、ぜひ一度お問い合わせください。
4. 定期的な視力チェック
子供の視力は成長とともに変化します。定期的な視力チェックを受けることで、早期に近視を発見し、適切な対策を講じることができます。視力が悪化している場合には、メガネやコンタクトレンズの処方、さらには治療法を検討することが重要です。
近視は生活習慣や環境によって進行しますが、適切な予防策を取ることで、進行を遅らせたり改善したりすることが可能です。お子様の目の健康を守るために、日々の生活に少しの工夫を加えてみてください。何かご不明な点やご質問があれば、いつでも当院までご相談ください。
今年も残りわずかとなりましたが、寒さが厳しい時期ですので、どうぞお体には十分ご自愛ください。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
-
院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
-
初めての方でもご予約できます。
-
常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
初めての方でもご予約できます。