179.白内障の手術

こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
4月といえどもまだまだ肌寒い日が続きますが、皆様体調にお気をつけ下さい。

今回のテーマは「白内障の手術」です。

「白内障」とはさまざまな原因によって水晶体が濁ってしまう症状のことです。 水晶体が濁ると、光がうまく通過できなくなったり、
光が乱反射して網膜に鮮明な像が結べなくなり、視力が低下します。目の中のレンズが濁ることにより、
視力が低下して以下のような症状がでます。
●かすんで見える
●明るいところへ出ると眩しく見えにくい
●どんなに調整しても眼鏡があわない
●ぼやけて二重・三重に見える
(*濁りの程度や性状により、症状には個人差があります )

白内障だけでは痛みや異物感・充血などがでることはありません。



白内障は水晶体内のαクリスタリン蛋白変性に伴う不溶性蛋白増加によりおこるとされています。
最も多いのは加齢によるものであり、 これを「加齢性白内障」と呼んでいます。又、目の外傷、アトピー性皮膚炎、糖尿病、栄養失調なども
発症が多いことが知られています。その他にも遺伝、放射線や赤外線照射、
ステロイド剤・抗精神病薬などの副作用、ブドウ膜炎などの目の病気による続発性白内障、網膜剥離や硝子体手術、
緑内障手術が原因とされるものや、生まれつきに水晶体の濁りのある先天性白内障の場合もあります。


以下のものが、白内障の代表的な分類です。

先天性白内障:生まれたときから水晶体が濁っているタイプ。
加齢性白内障:年を重ねるに従って水晶体が濁っていくタイプ。白内障の90%を占める。
併発白内障:ほかの目の病気に伴って発症するタイプ。
糖尿病性白内障:高血糖により、ソルビトールという物質が水晶体に蓄積して濁ってしまうタイプ。
皮膚病性白内障:皮膚病に白内障を合併するタイプ。
薬による白内障:ステロイド剤を長期間使い続けることにより水晶体の混濁を招くタイプ。
外傷性白内障:眼球に強い外傷を受けることにより生じるタイプ。


症状が軽く視力にあまり影響が出ていない内は、まず点眼剤や内服薬で進行を遅らせる治療をします。
症状が進み視力への影響が大きくなると手術をします。
白内障手術は水晶体を取り除き、人工の水晶体である眼内レンズを移植する手術です。水晶体を取り除く方法としては、
眼の表面を小さく切ってそこから機械を入れ、超音波で水晶体を細かく砕いてから吸い出す超音波乳化吸引術が主に行われています。
白内障がかなり進行して水晶体が硬くなってしまい超音波乳化吸引術で砕くことができなくなってしまった場合は、
切り口を大きくして水晶体核をそのままの形で摘出する嚢外摘出術という方法がとられる場合もあります。
手術はほとんどが局所麻酔で行います。現在、麻酔は多くの場合は点眼麻酔が用いられます。
手術時間は、超音波乳化吸引術の場合は10~15分程度です。網膜や視神経、角膜などの他の部分に問題がなければ、視力の回復が期待できます。

(当院では手術は行っておりませんが、受診していただいて必要であれば手術を行っている医療機関をご紹介いたします。)

●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。

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