176.ポスナー・シュロスマン症候群

こんにちは、池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
暦の上では春といえ寒い日が続いておりますが、いかがお過ごしですか
今回のテーマはポスナー・シュロスマン症候群です

1. ポスナー・シュロスマン症候群とは
1948年に米国のPosner博士 とSchlossman博士 により報告された目の病気の一種です。
時々発作的に片方の目に眼圧上昇と虹彩炎とがおこる病気です。若年~中年の男性にやや多い傾向があります。
大多数は片眼に発作が来ます。虹彩毛様体炎にともない、40~60mmHgまで一過性に眼圧が上がります。発作は自然におさまります。
発作と次の発作の間には炎症はありません。神経異常説、自己免疫説、ウィルス説、一過性線維柱帯炎説、などありますが正確には原因は不明です。

2. 症状
ポスナー・シュロスマン症候群の症状は普通15程度の眼圧が突然40から60mmHg程度まで上がり、
そのときに少しかすんだり圧迫感を訴えたりします。発作の時に、視力低下、霧視、虹視などがありますが、眼痛はありません。
炎症産物が角膜裏面に沈着、前房に細胞やフレアが見られます。角膜の浮腫や瞳孔散大があることがあります。

3.治療
ポスナー・シュロスマン症候群の治療には発作時のみ眼圧降下剤と抗炎症剤を使います。
眼圧が更に高いときには炭酸脱水酵素阻害薬を内服したり、高浸透圧利尿薬の点眼をしたりします。
ポスナー・シュロスマン症候群の眼圧が高い症状は普通、数日で落ち着きます。

4.経過
ポスナー・シュロスマン症候群の経過観察は最初の一週間は数日毎に行い、
その後は週に一度で症状が消えるまで経過観察を行います。

5.予後
ポスナー・シュロスマン症候群は一種の緑内障ですが、高い眼圧にさらされる時間が短いので、
視野が侵されたり視力が落ちる例は少なく、眼底で見られる視神経乳頭の陥凹も大きくはならないことが多いです。
また近年の報告ではこの緑内障は後遺症(緑内障性視野障害)を起こしにくいといわれていましたが、
まれに、高度の視野障害を残す場合もありますので、発作のたびに適切な治療を早期に行って視野障害を予防することが重要です。

●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。

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