160.眼瞼痙攣とボツリヌス療法

こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
今年もあとわずかになり、寒さの厳しい季節になってきましたね、風邪に気をつけて暖かくしてお過ごしください。
今回のテーマは「眼瞼痙攣とボツリヌス療法」です。

眼瞼痙攣とは
まぶたの痙攣のことで、自分の意志とは関係なく筋肉に収縮が起こる病気です。初期症状がドライアイと似ているために正しい診断がつかないことも多く、そういったケースまで含めると、現在、日本でこの症状に悩んでいる人は数十万人以上に上るといわれています。このうち最も多いのが40代以降の女性、ついで中高年の男性となっています。ひどくなると眼瞼を閉じる力が続くようになり,日常生活に支障をきたすようになります
 「眼が疲れるとまぶたがピクピクする」「最近まばたきの回数が増えた」「テレビやパソコンがまぶしくて見づらい」「ドライアイの治療をしているのに、ちっとも良くならない」。そんな状態が長引いている人は、眼科で詳しく診察してもらいましょう。

これまでの治療  
 心身の安静,サングラス装用や点眼薬の使用により,ある程度症状は軽減しますが,疲労や痙攣による不快感は症状を悪化させます。対症療法として,上記以外に内服薬,顔面神経ブロック,手術などが行われていますが,原因不明のため根本的に治す治療は現在のところ確立されていません。近年では,ボツリヌス療法も広くおこなわれるようになってきました。目の周りの筋肉に緊張をやわらげる薬を注射する治療方法です。

ボツリヌス療法とは
ボツリヌス療法で使う薬は天然のたんぱく質でできた毒素のことです。このことから、使用をためらう方もいらっしゃいます。しかし、規定の講習実技セミナーを受講した医師が正しく使えば、決して危険な薬ではありません。
このボツリヌス療法は、現在日本では眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸のみに対して承認されている治療方法です。痙攣しているまぶたの筋肉に,痙攣を抑える作用をもつ薬剤を注射します。
ボツリヌス療法は、痙縮そのものが治るものではありませんが、治療によって症状が軽減される場合が多く効果持続期間は、通常3~4ヶ月です。その後は徐々に効果が消えていき、眼瞼痙攣・片側顔面痙攣の症状が再び出てきます。
そのため、年に数回、繰り返しボツリヌス療法を受ける必要があります。ただし、治療の効果や治療期間は人によって異なりますので、必ずしも満足を得られるとは断言できませんが、眼瞼痙攣でお悩みの方は当院へご相談下さい。

効果と持続
治療時間も短く、翌日以降は、これまでと同じように過ごすことができます。非常に効果の高い治療方法注射後,通常3~4カ月経過すると,眼瞼痙攣・片側顔面痙攣の症状が再び出てきます。まばたきが多くなってきた,まぶしさを感じるようになってきた,などの症状が再び出てきたら,再投与の時期となります。

副作用はあるのか
長くても数ヶ月で効果が消えてしまいます。副作用の多くはくすりの効きすぎによるもので、ほとんどは効果の消失と共になくなります。ですので安心して使うことができます。
眼瞼痙攣でお悩みの方は、一度医師に相談してみるとよいでしょう。

●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。

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