159.斜視とは

こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
紅葉も見頃になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは、「斜視とは」です。

斜視とは,外見上は片方の目は正しい方向を向いているのに,もう片方の目が内側や外側,あるいは上下に向いてしまい、両眼の視線が正しく目標に向かない状態のことを言います。

斜視には様々な分類があります。斜視の方向によって外斜視、内斜視、上下斜視と分類したり、またさらに常に片目が斜視の状態である恒常性斜視と、まっすぐな状態(正位といいます)と斜視の状態と両方が混在する間欠性斜視のどちらかに分けたりします。他にも、眼の筋肉が原因か否かという病因で分ける分類などいろいろあります。

斜視の原因ですが、眼球を動かす働きをする筋肉(眼筋)の調節力のバランスが悪い場合や、眼球を動かす筋肉付着部の異常がある場合、神経に異常がある場合に起こります。その他、強い遠視や近視がある場合、病気や怪我などが原因で片眼の視力低下が起こり、両眼の眼筋のバランスがくずれてしまう場合、斜視になることがあります。また、乳幼児期の弱視、強度の近視や遠視などは、正常な視機能の発達を損なうことがあり、斜視になることがあります。

治療についてですが、斜視の原因によって治療法は異なってきます。治療の方針としては、斜視で失われた両眼視機能の正常化、眼の位置のずれの矯正、斜視による視力低下の改善の三つになります。

手術を用いない治療法は、斜視用の眼鏡やコンタクトレンズなどで矯正をおこなったり、遮閉法という斜視ではないほうの眼を眼帯やアイパッチなどで覆い、斜視眼だけを使用することにより視力や筋肉を鍛える訓練方法、大型弱視鏡などの器具を使って眼そのものの機能を強化して斜視を治療する両眼視機能訓練などがあります。
手術による治療法は、眼球を動かす筋肉が正常に作動するように、手術で眼筋を縮めるなどして位置を調整します。乳幼児の場合は全身麻酔で行い、大人は局所麻酔で行う場合が多いです。

両眼視能力は乳幼児の頃から発達しはじめ、生後1歳くらいで大体でき上がり、5・6歳までには完成されます。これが育たないと遠近感などが得られにくくなります。ですから、斜視に気づいたらすぐに治療を開始することが重要となります。
(当院では手術は行っておりませんが、診察の上他院を紹介いたします。)


●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
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