157.眼の異物について
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
段々と寒さが増してきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今週のテーマは「眼の異物」についてです
眼の異物は、大きく分けると結膜異物、角膜異物、眼内異物の3つに分けられます。
〈結膜異物とは〉
白目やまぶたの裏側にごみがついたものを結膜異物といいます。
・結膜異物の原因
砂や昆虫、コンタクトレンズなど、さまざまなものの飛入が原因でおきます。
・結膜異物の症状
異物感・充血・眼痛などの症状が出現します。異物が角膜に傷をつけ,鋭い痛みを感じることもあります。ただし、異物が下瞼の裏に入ると、瞬きで動くことが少ないので痛みを感じないこともあります
・結膜異物の治療法
結膜の異物のときは、生理食塩水などで異物を洗い流します。
まぶたの裏に異物が入っているときは、まぶたを裏がえし(反転)して、ゴミを探し出し除去します。
どちらの場合も、むやみにこすらずに眼科医に診てもらって下さい。
こすってしまうと,主に裏側のまぶたに付着してしまうことが多く,なかなかとれなくなってしまいます。その理由は,上眼瞼内の瞼結膜に溝(瞼板下溝)があり,この溝に異物が入り込んでしまうからです。
〈角膜異物とは〉
黒目にごみなどがついたり、刺さったりすることを角膜異物といいます。
早急に異物を除去し、感染を防ぐことが重要です。
・角膜異物の原因
飛んできたゴミ、植物片、小さな昆虫、砂、ハードコンタクトレンズなどさまざまな小物体が角膜についたり、ささったりします。
代表的な角膜異物のひとつに、鉄工所などでの作業中に飛び込んでくる鉄片異物があります。
・角膜異物の症状
角膜は非常に痛覚が発達しているため、異物が付着した瞬間に異物感、眼痛などの症状が現れます。
また、鉄粉異物が入ったまま放置しておくと、角膜や球結膜の異物の周りにサビの環が出来てしまいます。このサビを充分取らないと、痛みや刺激症状(球結膜充血)が続く事があります。黒目がにごってしまった場合は、若干の視力低下を招くこともあります。
・角膜異物の治療法
異物を除去し、同時に感染の予防を行います。角膜に刺さっている異物は、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡下でていねいに除去する必要があります。
除去後は感染を予防するために、抗菌薬の眼軟膏を入れ眼帯をつけます。汚染されている異物の場合にはとくに感染予防対策が大切です。いったん感染を起こした場合には角膜潰瘍など重い合併症に進む危険性があります。
〈眼内異物とは〉
黒目や白目を通り越して眼球の中にごみが入ってしまったものを眼内異物(眼球内異物)といいます。
眼内異物では、多くの症例で外傷性白内障、網膜剥離、硝子体出血、眼内炎など多くの合併症がみられます。早期発見、早期治療が視機能を保つうえで重要になります。
・眼内異物の原因
ハンマーで石をたたいたり、ノミを使っているときに、小さな破片が目に飛入するケースが多いです。
・眼内異物の症状
外傷性白内障、硝子体出血などの合併があれば自覚症状として視力の低下、眼痛などを生じますが、異物が小さい場合などは自覚症状が乏しい場合もあるので、注意が必要です。
・眼内異物の治療法
異物の飛入した場所により治療の方法は異なってきますが、基本的には入院して、手術で異物を摘出する必要があります。その際、白内障を合併していれば白内障摘出術、網膜剥離を合併していれば網膜復位術を併用して行います。術後は異物により感染の危険があるため、抗生物質の投与を行います。感染を起こしてしまうときわめて重篤になるので、緊急手術をしなくてはいけません。
〈眼の異物注意点〉
眼に異物が入った場合は、自分でとろうとすると、なかなかとれず、無理をすると眼に傷をつけてしまう恐れがありますので早急に眼科を受診するようにして下さい。
●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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