153.急に何かが飛んで見えるようになったら
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所でございます。
秋も深まり、寒い日が続きますね。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
今週のテーマは、「急に何か物が飛んで見えるようになったら」です。
視野の中に糸くずや虫のようなものが飛んだり浮かんでみえる症状を飛蚊症といいます。
硝子体の中の混濁物の陰を自覚するもので、空や白いものを見る時にはっきりします。目の中にあるものの陰なので、追いかけるとついてきます。
混濁物のほとんどは、水の部分が増えるのと一緒にできた硝子体線維の集まったもので、淡いものです。後部硝子体剥離がおこると、視神経の部分についていた濃い混濁が浮いてきて、はっきりとした黒い陰を自覚します。
原因
飛蚊症の原因としては、生理的なもの、老化現象によるもの、病気によるものなどいくつか挙げられます。網膜剥離や網膜剥離の原因ともなる網膜の穴が開くこと、眼底出血などの病気による飛蚊症があります。ところが硝子体に何らかの原因で"濁り"が生じると、明るいところを見たときにその濁りの影が網膜に映ります 。
症状
黒い点や虫のようなもの、または薄い雲のようなものが視野の中に見えたり、視線を動かしたとき、それが一緒に移動するように感じることもあります。
検査
検査は、眼底検査を行います。網膜に穴が開くのは網膜の周辺部が多いので、瞳孔を閉じたままでは観察が難しいため、点眼薬で瞳孔を開き、顕微鏡で立体的に観察します。この検査で硝子体や網膜の異常がほぼ分かると言われています。瞳孔を開くと4~5時間はまぶしさが残るので、その間は車の運転はできません。
治療
網膜裂孔に対するレーザー治療は網膜にできてしまった裂孔(=亀裂)が原因となって網膜剥離に進行しないように、裂孔の周囲をレーザーによって凝固(=癒着)させてしまうために行います。従いまして、多くの場合、レーザー後も黒い点が目の前に見えるはずです。なぜならレーザーには直接黒い点を消す効果はないからです。
現在のところ、飛蚊症を消してしまう治療法はありません。
しかし飛蚊症はやがてゆっくりと薄くなり、自然と消えてしまう場合も多いので焦らないことが大切です。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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