151.巨大乳頭性結膜炎について
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
すっかり秋らしくなってきました。
秋花粉もピークを迎えていますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
今週のテーマは、「巨大乳頭性結膜炎について」です。
上瞼の裏側に巨大乳頭と呼ばれる直径1ミリ以上の無数の突起や大きな濾胞(ロホウ)が生じるアレルギー性結膜炎の一種です。英語ではgiant papillary conjunctivitisで、GPCと略して呼ばれることが多くなっています。
原因
日本眼科学会の定義では、巨大乳頭性結膜炎は、コンタクトレンズ、義眼、手術用縫合糸などの機械的刺激による上眼瞼結膜に増殖性変化を伴う結膜炎を指すとなっています。巨大乳頭性結膜炎は、コンタクト人口の増加とともに増加した疾患と言われています。
症状
症状は通常のアレルギー性結膜炎などと同様にかゆみや充血、目やに、異物感や違和感、コンタクトレンズが頻繁にズレたり、張り付いたりする等で、特に初期の症状は似通っているため勘違いされる事も多くなっています。前記の症状に加え、結膜に巨大乳頭や大きな濾胞などの増殖性変化が見られる場合、巨大乳頭性結膜炎と診断されるようになります。
治療
治療は主に抗アレルギー点眼薬の投与などが中心となります。コンタクトレンズが原因の場合、治療中はコンタクトレンズの装用は原則中止となります。症状や経過に応じて1Dayのコンタクトレンズ限定で装用が許可される場合もありますが、一般にコンタクトは中止した方が経過は良好なため、極力コンタクトの装用は避けたほうが良いと言われています。
巨大乳頭が完全に消えて完治となりますが、通常3ヶ月程度と意外に時間が掛かる事が多いようです。
予防
コンタクトレンズが原因の場合、コンタクトレンズの汚れをいかに少なくするか、いかに装用時間を少なくするかを医師と相談の上検討することになります。
衛生面からは1Dayコンタクトへの変更がベストですが、難しい場合、交換サイクルがより短いレンズに変更する、あるいは交換時期を通常より短くする等が必要になります。
またレンズケアに関しても、こすり洗いの徹底や、酵素クリーナーの併用など今までのやり方を見直す必要があります。
もし、正しいレンズケアが良く分からない場合、コンタクトレンズメーカーのHPなどでも確認できますが、コンタクトレンズ処方のついでに眼科で相談してみてもよろしいかと思います。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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