124.眼と放射線
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
この度、東北地方太平洋沖地震被災地の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
今回のテーマは、「眼と放射線」に関してです。
原発事故を受け、多くの方が放射線に関して不安を感じていらっしゃるかと存じます。
眼と放射線物質の関係についてご案内いたします。
<眼の粘膜からの放射性物質の吸収を防ぐ>
・眼の粘膜は皮膚よりも放射性物質を吸収しやすいとされています。
・生理的食塩水または水道水で、眼が傷つかないようにやさしく 洗浄してください。
※その際、目頭を押さえて、鼻涙管から汚染水が鼻の中に入らないように注意します。
・まぶたに関しては皮膚への汚染と同様に扱ってください。
※中性洗剤と濡れガーゼでやさしく拭き取り、水で洗浄してください。
※あまり強くこすると皮膚のバリアが破壊され、むしろ皮膚内部に入り込む可能性があります。
<白内障発症の可能性>
・時間が経過してから起こる影響として、線量が高い場合に数ヶ月、低い場合には数年の潜伏期を経て白内障が発症することがあります。
・被曝した集団の1~5%において白内障が発症する最低線量(閾値)は急性被曝で2~10Gy、慢性被曝で0.15Gy/年程度といわれています。グレイGy/とは、吸収線量(absorbed dose)の単位です。吸収線量とは、生体が吸収した放射線のエネルギーのことです。白内障を起こす放射線量は、5シーベルトといわれています。白内障は発症したとしても手術で確実に治療することが可能です。現時点での放射性物質の量では、ただちに発症しません。
ちなみに、3月25日に東京で観測された1時間あたりの放射線量は0.133マイクロシーベルト、
25日午前8時現在、福島県飯舘村で1時間あたりの放射線量11.50マイクロシーベルト、
3月24日に被爆した作業員の3人が上半身につけていた放射線量計の数値は173~180ミリシーベルトとのことなので、5シーベルトという数値は、非常に高い数値といえます。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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