123.ドライマウスとドライアイの関係
こんにちは、池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
先日の地震で、皆様はご無事だったでしょうか。
当院は通常通り診療を行っております。ご来院の際は充分にお気をつけて下さいませ。
今回のテーマは「ドライアイとドライマウスの関係」です。
女性ホルモンのエストロゲンが減少すると、目の水晶体のコラーゲンが減少して、目が乾いてドライアイになりやすくなります。
また、自律神経が乱れると、唾液の分泌が減ってドライマウスになってしまいます。
どちらか片方の症状が出ている場合は、適切なケアを行えば問題ありませんが、もし両方の症状が出ている場合は、シェーグレン症候群という涙と唾液の分泌障害の可能性もあります。
必ず専門の病院で検査を受けるようにしましょう。
シェーグレン症候群とは…
自己免疫疾患の一種であり、涙腺の涙分泌を障害、唾液腺の唾液分泌などを障害します。40~60歳の中年女性に好発し、男女比は1対14ほどになります。
誤解してはいけないことは、全てのドライアイがシェーグレン症候群ではないということです。シェーグレン症候群はドライアイを呈する患者さんの一割未満であると思われます。
シェーグレン症候群の原因
シェーグレン症候群は、腺細胞からの分泌物の低下が基礎となり、様々な症状が現れる疾患です。
シェーグレン症候群の症状
主な症状は、まず眼症状です。涙の分泌様式は2種類あり、ひとつは基礎分泌といって日常の普通の状態での分泌様式です。シェーグレン症候群ではないドライアイは この分泌様式に障害があるものと推測できます。一方、反射性分泌という分泌様式がありますが、これは悲しい映画を見たり,玉葱をきったり、ゴミが目に入ったときにはたらく分泌様式です。シェーグレン症候群の場合はこの分泌様式も障害されます。
口腔症状はドライマウス(口腔乾燥症)で、自己免疫現象により自らの唾液腺が破壊され唾液の分泌が減少により起こります。唾液には抗菌作用を持つ物質が含まれています。またミネラルによって歯を守る働きもします。よって唾液分泌の減少は虫歯の増加、その他の自覚症状としては、味覚変化、口内炎の好発や乾燥が喉まで至り食べ物が喉を通らなかったり、声のかすれもある。また他覚的な症状としては舌乳頭の萎縮で舌が平坦になることが特徴にあります。
シェーグレン症候群の治療
残念ながら現在シェーグレン症候群発症の原因が解明されていないことより、この疾患を対症的に治療することはできても、治癒させるまでにはいたっていないのが現状です。
医師にとっても、患者にとっても治療における現時点でのゴールは、いかにこの疾患と上手くつき合っていくかにあります。
当院での検査
当院では、ドライアイの検査として以下の検査を行っております。
①シルマーテスト
シルマーテストは、涙の量を測定するドライアイを診断するために欠かせない代表的な検査法です。ドライアイは、涙の量が不足して起こる病気で、診断には涙液が正常に分泌されているかどうかを調べることが重要になります。
シルマーテストの方法は、大きさが7×50ミリほどの細い濾紙(涙紙)の一端を少し折り曲げ、眼の涙点上に挟んで5分間まぶたを閉じます。濾紙に涙がしみこんでくるので、その数値を読み取って涙の量を計測します。現在、シルマーテストによる診断の目安は、5分間に出る涙の量が10mm前後であれば、正常と判断され、5mm以下であればドライアイが疑われます。
当院での治療法
当院では主にドライアイの治療を行っております。
① 眼液による治療
涙液分泌自体を促進させる薬物はなく、人工涙液点眼液で不足した涙液の補充を行う方法です。涙液分泌が少ない為に点眼液に含まれる防腐剤などの添加物による副作用が起こりやすいので、点眼液は添加剤を含まないものを処方します。
② 点閉鎖による治療
涙は目の表面から蒸発する以外はほとんどが涙点から鼻に出る為、 涙点を閉じて涙の流出を抑え、涙を眼の表面に十分に溜める方法です。池袋サンシャイン通り眼科診療所では2種類の涙点プラグを利用した治療をしております。
(1) スーパーフレックスプラグ(ホワイトメディカル)承認番号21200ZY00283000
(2) コラーゲン製涙点プラグ承認番号21900BZZ00027000
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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