750.斜位と斜視の違い

 

こんにちは、池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
暑さの続く今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。

 

さて、本日のテーマは“斜位と斜視の違い”です。
学校の眼科健診で、斜視、もしくは斜位と指摘があった場合、それがどういった状態なのか疑問に思われたことのある方もいらっしゃると思います。

 

そもそも眼位とは、両目の位置関係のことを表します。
見たいものに対して目がまっすぐに向いている状態を、斜視もしくは斜位がない、つまり正位と言い、どちらかの目がずれてしまい、目標に視線が正しく向いてない状態を斜視と呼びます。

 

斜視は、左右の視線が一致せず、片目は中心にあるのに、もう片方の目がずれてしまう状態を言います。そのため両目で同時に物を見ることができず、立体感を得られません。見やすい方向で物を見るために、頭を傾けてものを見ていたり、片目をつぶったりする様子が見られることもあります。また、斜視の状態では両目がそれぞれ別の方向を向いているため、物が二重に見えることがあります。これを複視といいます。
斜位は、神経の緊張で両目の視線を目標に合わせている状態です。したがって、斜位は通常視線のずれはなく、両目でしっかりと物を見ることが可能です。しかし、もともとの目の位置が完全には正しくないため、片目を隠したり、覆ってしまったりすると、目の位置がずれてしまいます。このずれの程度が強いと、物が二重に見えることもあります。また、絶えず緊張状態で物を見ているため、眼精疲労を起こしやすいと言われています。

 

斜視では、それぞれの方の状態に合わせた特殊な眼鏡の処方や、ずれのない目をアイパッチなどで覆い隠してずれている目を動かす筋肉を鍛えるような治療を行います。眼球を動かす筋肉に対する手術へ適応がある際には、当院で検査を行ったのち、斜視手術を行う病院への紹介状をお出しする可能性もあります。


斜位では、目の位置のずれが大きく、症状が出るような場合には特殊な眼鏡で矯正をします。
両目で見たものを脳内で立体的なひとつの映像にする能力は両眼視機能と呼ばれますが、生後1カ月頃から発達しはじめ、6歳ころまでにはほぼ完成します。そのため症状に気付いたらすぐに治療を開始することが重要です。
当院では小児外来で斜視の治療を行っております。もし、学校からの指摘や、ご家庭で気になる様子がありましたら、ご受診をご検討ください。

 

 

●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。

●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。

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