743.緑内障はどんな病気?
こんにちは、池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
雨の降りやすい季節が近づいておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
今週のメールマガジンのテーマは「緑内障はどんな病気?」です。
・緑内障はどんな病気?
「緑内障」と聞いたことはあっても、「どういう病気か?」はイメージしづらい方も多いのではないかと思います。漠然と「大変な怖い病気」「かかると失明してしまう」といったイメージを持っている方もいるかもしれません。一方、実際に緑内障と診断され、点眼治療をしている人の中には、「病気の自覚も不便もないのに、なんで毎日点眼しなきゃいけないのだろう?」「自分は本当に病気なのか?」と感じる人もいるようです。
では、緑内障とはどのような病気なのでしょうか?
緑内障は「長い時間をかけてゆっくりと視神経が悪くなり、見えづらくなる病気」です。緑内障は10~20年かけてゆっくりと進行する眼の病気で、年齢が上がるほど患者数が多くなります。40歳以上の20人に1人、60歳以上では10人に1人は緑内障と言われているという調査結果もあります。緑内障は日本の失明原因1位の疾患と言われていますが、早期発見と適切な治療ができれば、十分な視野と視力を生涯保つことができます。
緑内障と診断された方の多くには自覚症状はほとんどありません。例えば風邪を引いたら熱や咳、くしゃみといった症状が出たりしますが、緑内障の初期、中期には明らかな自覚症状がありません。また、風邪であれば1,2週間で治療の必要がなくなりますが、緑内障は「治る」ということがない病気です。緑内障の治療は「悪くならないように進行を止める」ことが目的であるため、定期的な通院、検査による現状把握と毎日の点眼治療が長期間必要になります。
↑緑内障による視野欠損のイメージ
・緑内障になったらどうなるの?
緑内障は初期、中期、末期と進んでいく進行性の疾患です。緑内障が進行していくと視神経が悪くなった部分の視野が欠けていきます。一度欠損した視野は治療や手術で元に戻すことはできません。そのため、緑内障の治療目的は「病気を治すこと」ではなく、「早期発見」「早期治療」により、現状の視野を保つことを一番に考えます。
緑内障の治療は主に点眼によって行います。毎日の点眼で眼圧を一定にコントロールすることで緑内障の進行を緩やかにすることができます。
また、定期的に視野検査、眼底検査、眼圧検査を行い、その時の目の状態や、緑内障が進んでいないかを確認していきます。その時の目の状態に応じて点眼の変更や、眼圧コントロールのためのレーザー治療、手術を行うこともあります。
緑内障と診断された方の多くは「自覚症状のないまま、点眼治療や定期的な検査を長期間続ける」必要があります。緑内障による失明が多い理由の一つは、「自覚症状がほとんどなく、長期間の治療が必要であるために、途中で治療を中断してしまう患者が多いため」と言われています。進行した視野欠損を治すことはできませんが、進行しないようにとどめる治療をすることはできます。そのため、緑内障の治療においては毎日の点眼による継続的な眼圧のコントロールがとても重要です。
・当院での緑内障治療
当院では医師による診察と点眼薬の処方の他に、ハンフリー視野計、ゴールドマン視野計、眼底三次元解析(OCT)による眼科精密検査、緑内障に対するレーザー手術などを行っております。
緑内障は未治療のまま進行すると失明に至りますが、進行を止めるための治療法はちゃんとある病気です。緑内障と診断された方に対して、眼科の医師、看護師、スタッフは治療のパートナーとして長いおつきあいをすることになります。当院では患者様が今まで通りの生活を長く保つことができるように、日々検査や診察を行っておりますので、少しでも気になることがありましたらお気軽に医師、スタッフにご相談ください。
- 一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
- 無断での記事転載はご遠慮ください。
- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
参考URL
緑内障といわれた方へ―日常生活と心構え― 公益社団法人日本眼科医会
https://www.gankaikai.or.jp/health/56/index.html
緑内障 – 目の病気百科 参天製薬株式会社
https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/library/glaucoma
緑内障から目を守る 進行を止める私たちの対策と生活
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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