110.流行性角結膜炎の感染を防ぐには
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
今年も残りあとわずかです。ご健康にはお気をつけ下さい。
今週のテーマは「流行性角結膜炎の感染を防ぐには」です。
前週の復習となりますが、流行性角結膜炎のご説明をさせていただきます。
流行性角結膜炎とは
感染力が強く、昔から一般に「はやり目」と呼ばれているものです。アデノウイルス(8型、19型、37型、53型など)によって起こります。夏から秋にかけて多く報告されています。症状としては、結膜が充血し目やにや涙がたくさん出て、眼痛を伴うことがあります。耳の前や顎の下にあるリンパ節が腫れることもあります。症状の強い人では、結膜の表面に白い炎症性の膜(偽膜)ができることがあり、特に小さなお子さんでは成人より生じやすいといわれています。この病気の潜伏期は約1週間から10日です。最初は片目だけに発症しても、数日中にもう片目に症状が出現することがあります。通常、発症してから約1週間の間に病状のピークがあり、その後徐々に改善してきますが、炎症が強い場合は黒目(角膜)の表面に小さな濁りが残ることがあります。そのために曇った感じが続く方がいます。これは時間とともに徐々に消えていきますが、副腎皮質ステロイド薬の目薬を使うことがあります。濁りが完全に消えるまでに数か月かかることもあります。治ったかどうかは必ず眼科医の診断に任せなければなりません。
事前に流行性角結膜炎の感染を予防するには
流行性角結膜炎の感染は、1歳~5歳を中心とした小児、また、大人を含んだ幅広い年齢層にみられます。家庭内や職場では、「涙」や「目やに」で汚染された指やタオルその他の物品から接触感染します。学校では、プールを介して感染が広がることもあります。病院内では検査器具、点眼薬、医療従事者の手指を介して感染することもあります。物品を他人と共有、接触した際、プールや海に入った際には、手指衛生を実行しましょう。また、目に触れるようなものは、人と共有しないようにしましょう。
流行性角結膜炎に感染してしまったとき、二次感染を防ぐために
流行性角結膜炎は、学校保健法の第三種学校伝染病に指定されているので、学童の場合は、医師が周囲への感染力がなくなったと判断するまで出席停止することになります。成人の場合はそのような法的根拠はありませんが、とくに他人と接触する機会の多い学校、医療施設、接客業などに従事している人には、職場の内規で出勤停止が義務付けられている場合や、伝染を防ぐために出勤停止を医師から指示される場合があります。
主として手を介した接触感染で、ウイルスに感染した眼を手で触れると、手にウイルスが付着し、そのまま、いろんな物に触れると、その物にウイルスが付いて、他の人がそれに触れて感染するという経路がほとんどとなります。
具体的な予防方法として…
1) タオルや洗面器は別にしましょう。
2) 手指などは水道水を出しっぱなしにして、石鹸でよく荒い、70%消毒用アルコールで消毒しましょう。
3) タオル、ハンカチ、下着などはできるだけ沸騰し、乾燥させます。
4) 人の使っている目薬を使ったり、その辺の物をさわったり、手でこすったり、顔にふれたりしないようにしましょう。
5) 入浴は家族内で最後に行うか、入浴したあとの湯を交換し、残り湯を洗濯などに使わないようにします。
6) 点眼に使用したり、涙や目やになどを拭いた綿あるいはティッシュは、ビニール袋に入れて、まとめて捨てましょう。
7) 次々に感染する危険がありますので、保育園、学校、職場は休む必要があります。治ったように見えても、医師の許可が出るまで、しばらくの間は他人に接したり、友人や親戚などへ遊びに行ったり、招いたりするのはやめましょう。普段から汚れた手で、目をこすったりする習慣をやめましょう。
※当院では、診断書をお出ししていますので、お気軽にご相談下さい。流行性角結膜炎が理由での欠席、休職する為に必要となります。
流行性角結膜炎の検査
当院では、「キャピリア アデノアイ」と言うアデノウィルス抗原を迅速に検出する試薬により、アデノウィルスによる感染の有無を確認しております。
※ 潜伏期間、症状により反応が無い場合もある為、参考の一つにさせていただいております。
ウイルス性結膜炎の治療
ウイルス性結膜炎に対しては、今のところ残念ながら特効薬はありません。感染したウイルスに対する抗体が体内で作られるのを待つしかありません。
通常は炎症を抑え、細菌による二次感染を防止するための目薬を使用します。ヘルペスウイルスに対しては抗ヘルペスウイルス作用を持つ薬がありますが、症状が結膜炎だけの場合、迅速診断キットなどではヘルペスを検出できないために、治療できない場合がほとんどです。まぶたに発疹がある場合には抗ウイルス薬の眼軟膏を用います。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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