97.市販のおしゃれ用カラーコンタクトレンズについて

こんにちは、池袋サンシャイン通り眼科診療所でございます。
9月に入っても引き続き暑い日が続いております。熱中症など、体調管理にはお気をつけ下さい。
今回のテーマは「市販のおしゃれ用カラーコンタクトレンズについて」です。

カラーコンタクトとは
カラーコンタクトは、眼科医の処方が必要な「高度管理医療機器」として扱われているものと、処方が不要な「雑貨(おしゃれ用カラーコンタクトレンズ)」として扱われているものの、2種類に分類されます。

おしゃれ用カラーコンタクトとは
ファッションで使用する度なしのカラーコンタクトを指します。市販で販売されており、雑貨として扱われています。これらは厚生労働省の認可を受けていないため、薬事法の対象外で安全性も保証されていません。そのため、眼障害を起こしたケースが多く報告されています。

おしゃれ用カラーコンタクトの眼障害
雑貨であるおしゃれ用カラーコンタクトレンズは、着色されていない透明なコンタクトレンズでも起こるケア不足や取り扱いの不注意に加え、素材品質問題(酸素の透過性が低い)、色素の流出、破損や粗悪な成型などの良質ではない製品による眼科トラブル、長時間の使用で角膜が薄くなるなどの可能性があります。
国民生活センターの商品テストによると、ある種のおしゃれ用カラーコンタクトレンズを30分装用
すると、角膜の表面に傷がついていることが確認され、保存液などにつけた実験では、色素、チタンやアルミニウムが溶け出すことが明らかになりました。

また、眼の形状に合わない、眼のコンディションに合わないものを使用した場合、眼に傷をつけ、そこから細菌・ウイルスが浸入して、眼障害を引き起こすこともあります。
これを放置しておくと、アカントアメーバー角膜炎、角膜潰瘍などの症状を引き起こし、最悪の場合失明に至ります。

カラーコンタクトレンズを安全に使用するには
カラーコンタクトレンズは、着色されていない透明なコンタクトレンズに比べて、眼障害の発生率が高いことが報告されているので、あまり薦められるものではありません。
しかしながらどうしてもカラーコンタクトを使用するのであれば、処方箋を必要とする高度管理医療機器のカラーコンタクトレンズを使用しましょう。
高度管理医療機器であるコンタクトレンズは品質保証体制の設備が確立されたメーカーにより製造されています。そして処方箋には、処方されたレンズデータ(ベースカーブ・度数など)により目の形状に合うレンズを特定しますし、装用者の眼のコンディションを確認した病院や医師の名前も表記されます。
カラーコンタクトを使用する場合は、通常は透明なコンタクトレンズあるいは眼鏡を使用し、カラーコンタクトは必要なときに使用する、それもなるべく短時間に限って使用するようにしましょう。
大切な眼を守るためにも、適切な選択と行動をしましょう。


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すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。

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