81.アカントアメーバ角膜炎とコンタクトレンズケアについて
アカントアメーバ角膜炎とは
アメーバの一種であるアカントアメーバが角膜に感染して起こる病気です。非常にまれな感染ですが、角膜の感染症のなかでは最も重症です。
アメーバは大変感染しにくい病原体です。
正しくコンタクトレンズを使用している場合に感染することはあまりありません。
しかし、いったん感染すると、診断・治療は困難を極めます。
原因
アメーバで汚染されたコンタクトレンズを使用することによって生じます。
汚れたレンズや保存ケースに付着したアメーバーが細菌を餌にして増殖します。
このアメーバーが角膜の小さな傷から中に入り込み感染します。
症状
眼の痛みが相当強いのが特徴で、涙もかなり出ます。また、白眼の充血も非常に強くなります。視力の低下は初期は軽度ですが、徐々に見えにくくなり、進行すると重度の視力障害になります。
目やには軽度で、だいたいが片眼性です。
検査方法
角膜の悪くなっている部分をこすり取って、アカントアメーバを検出します。めずらしい病気であるだけに、専門の眼科医でも早期診断が難しく、症状の似ている「角膜ヘルペス」や「角膜潰瘍」と診断されてしまう場合もあります。また、特殊な病原体であるため、大きな総合病院でも検査が困難です。
治療方法
アメーバに対する特効薬がないため、抗真菌薬を使用しますが、それに加えて感染した角膜表面を何度も削る治療を併用する必要があります。
根治には何カ月もかかることがまれではありません。どうしても治らない場合は、角膜移植を余儀なくされる場合もあります。そのため、少しでも異常を感じたら早めの眼科受診を受けることが大切です。
予防法とCLケア
この病気は予防することが大切といえます。
1、コンタクトレンズの使用期間を守る。汚れたレンズケースは早めに取り替える。
2、眼鏡とコンタクトレンズを併用する。
3、異常を感じたら早めの眼科受診定期検査を受ける。
4、決められたケア方法を守る。
コンタクトレンズのケアを怠ると、レンズが汚れ、アカントアメーバ角膜炎の他、トラブルの原因になります。ケア用品は、取扱説明書にしたがって、正しくご使用ください。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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