78.老眼
こんにちは池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
まもなくGW、行楽シーズンですが、いかがお過ごしですか。
今週のテーマは 「老眼」 についてです。
老眼とは
目のピント合わせをするレンズの役割をする水晶体の弾力性が低下して調節力が弱まったために、近いところが見えにくくなる状態で、誰もがなる目の老化現象の1つです。(「老視」や「調節障害」とも呼ばれます。)
老眼の原因
① 水晶体の弾力性低下
② 毛様体筋の筋力低下 とされています。
①『水晶体の弾力性低下』は、眼の中の『老廃物』が年々蓄積され、それが水晶体の繊維の間に入り込むのが主な原因とされています。
②『毛様体筋の筋力低下』は、加齢や酷使が原因と言われています。
老眼の症状
老眼は、近くが見えにくい状態になりますので、最近新聞を読むときに新聞を遠ざけて見るようになったという方は、老眼の兆候が出始めていると考えることができます。40代頃から自覚されることが多いのですが、実際には20歳前後から調節力の減少は始まっており、日常生活で字を読む時の距離である30cm前後が見えにくくなるのが、この辺の年齢であるといえます。
明るいところではなく、特に薄暗いところで目がかすんでものが見えなくなるといった症状が現れやすくなります。
老眼の見え方を改善するには
矯正は老眼鏡(老視鏡)で行います。 老眼鏡は凸レンズでできていて、原理は遠視の眼鏡と同じです。調節力の減退に応じて、必要となる凸レンズの度数も強くする必要があります(若い人ほど度数が弱くて済む)。 ただし老眼鏡使用時は遠くが見えづらくなるので、近くのものを見る際に限定的に使用されます。
以前から近視・遠視・乱視などで眼鏡を使用していた人にも、当然、老視は現れます。この場合は、遠くを見るための度数に適切な凸レンズの度数を加えたものを、近くを見るために用います。元が近視で凹レンズを用いていた場合は、その分、凹レンズの度数を弱めます。弱い近視では、遠方視用に凹レンズ、近方視用に凸レンズが用いられる場合もあります。
遠近両用眼鏡は、遠くと近くで眼鏡をかけはずししたり交換したりする不便さを解消した眼鏡です。
・2重焦点レンズ(境目のある遠近両用)
境目がハッキリしており、遠用部と近用部のそれぞれの見え方がはっきり見え、境目のない累進多焦点レンズに比べ歪みの部分が無いため実用的ではありますが、境目が目立つので、見た目で敬遠される方が多い。
・累進多焦点レンズ(境目のない遠近両用)
近年は、レンズの下へ行くに従って度数が徐々に変化する多重累進焦点タイプが一般的であります。一つの眼鏡で遠近が見えるため便利ですが、慣れるまでは視野が揺れて感じたり、階段を踏みはずしやすかったり、目が疲れやすく感じたりする場合があります。また、境目を無くして度数を変化させているため、レンズの下部に歪みが生じ視野が狭くなる欠点もあります。 それぞれメリット、デメリットがありライフスタイルに合わせて選択されるのが良いと思われます。
老眼を予防する方法
老眼を予防する方法は残念ながら目の疲れをためないことぐらいしかありませんが、進行を遅らせる方法として最近注目されているアンチエイジングです。
まだ科学的に実証されたわけではありませんが、理想的な栄養素を取り入れることが老眼の予防になるかもしれません。
身体を健康に保つ秘訣は、栄養バランスのとれた食事や適度な運動、ストレス対策、禁煙、紫外線対策などが大切です。
目のアンチエイジングに役立つ食品
緑黄色野菜、ビタミンB群、ルテイン、亜鉛などが目のアンチエイジングにいい食品
目の健康を維持するために食事も重要です。玄米、牛乳、レバー、納豆などに含まれるビタミンB群は目の疲れを取ることから目薬にも配合されるビタミンです。
ニンジン、かぼちゃに含まれるカロチノイドやサケやイクラに含まれるアスタキサンチン、ブロッコリー、小松菜などに含まれるルテインは、加齢黄斑変性症、白内障などの予防にも効果があるといわれます。
カシス、ブルーベリー、紫芋、小豆などに含まれるアントシアニンというポリフェノールの一種も、目の血行を促進して疲れ目を改善するそうです。
また目の細胞の修復や再生に欠かせない亜鉛を多く含む海藻類や穀類、貝類なども効果があるといわれています。
老眼の症状と思っても、もしかしたら別の眼の病気かもしれません。
老眼の出る頃は、他の眼の病気も出やすい年齢でもあるので気になる症状があれば、まずは医師の診察を受けることをおすすめします。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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