702.夜盲症とは
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
今回のテーマは「夜盲症とは」です。
○夜盲症とは
網膜には違う明るさの中で働く2種類の細胞があります。
一つは明るい場所で働き、色を見分ける役割を持つ「錐体細胞」、もう一つは暗い場所で働く「桿体細胞」です。
この桿体細胞の働きによって、我々は明るいところから暗いところに入った際、すぐには何も見えなくても、次第に暗さに慣れ、
まわりが見えるようになります。これを暗順応といいます。
「夜盲症」とは、この桿体細胞に異常があり暗順応が障害され、暗いところや夜になると視力が著しく衰えて目がよく見えなくなる病気です。
○分類・原因
夜盲症には、先天性のものと後天性のものがあります。
前者には、進行性先天性夜盲症・非進行性先天性夜盲症があり、大きく2つのグループに分けられます。
一つは幼児期に始まり、徐々に進行し視野搾取を伴って末期には視力も低下する網膜色素変性症や白点状網膜症などです。
もう一つは幼児期から夜盲症があっても進行せず、明るいところでの視力や視野は一生正常な小口病や眼底白点症などです。
後者には、ビタミンA欠乏症の他に眼底疾患(網膜脈絡炎、眼球鉄錆症)に伴うものがあります。
戦後に比べ食生活の質が向上した現代においては、後天性夜盲症を発症することは稀です。
○症状
一般に明るい環境での視力に対して暗い場所での視力は落ちますが、その落ち方が健常な人と比べて極端に落ちます。
夜間や暗い場所で、見づらさを感じます。
視野障害や視力障害を伴うと、ものに躓く、ぶつかりやすくなります。
網膜色素変性症では、視細胞の変性・減少や網膜機能が低下することでその部分の視野が欠けていきます。
周辺部から欠けていき、次第に視力も低下していきます。
○治療方法
現時点において、夜盲症に対する確実な治療法は存在していません。
対症療法として、ビタミンA・循環改善薬の服用や、光刺激に弱いことから、屋外作業を控える、遮光眼鏡を使用するといった方法が挙げられます。
遮光眼鏡は、明るいところから急に暗いところに入ったときに生じる暗順応障害に対して有効であるほか、物のコントラストをより鮮明にする、
明るい場所で感じる眩しさを軽減する助けをしてくれます。
・一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
・無断での記事転載はご遠慮ください。
・本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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