73.角膜混濁
こんにちは、池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
毎朝の花粉飛沫のニュースが気になる季節ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今週のテーマは「角膜混濁」です。
角膜混濁とは、角膜の内側の角膜内皮という細胞が酸素不足で死んでしまい、本来透明であるはずの角膜が白く濁る症状のことです。混濁には部分的なもの、広範囲に及ぶものがあります。混濁の淡いものを角膜片雲、さらに濃いものを角膜斑、濃い混濁を角膜白斑とよびます。
<原因>
先天性・・・出生時から存在する角膜混濁では、発育異常による奇形、胎児期の角膜炎、出生時の鉗子分娩による場合があります。
遺伝性・・・遺伝性の角膜の変性で、出生時には異常はありませんが、小児期から青年期にかけて発病し、次第に角膜が混濁してきます。角膜ジストロフィーと総称します。
炎症・・・・先天梅毒、トラコーマ、ヘルペス、結核、ブドウ球菌などの角膜の炎症の後の瘢痕が原因で起こります。
これ以外にも、栄養障害や外傷、眼瞼疾患が原因となることもあります。
<症状>
角膜が白く濁り光が眼内に入りにくくなり、全体が暗く、しかも網膜上にぼんやりとしたゆがんだ像しか映しません。角膜混濁が淡い場合には、それで光が遮られるというよりも、角膜表面が凸凹していて乱視になっており、そのために網膜に映る像がピンボケの状態になることの方が、視力に大きく影響します。
<治療>
眼科医に相談の上、点眼治療や、症状によっては除去手術あるいは移植手術を行います。
<注意すべきこと>
視界のかすみや違和感を感じたら、すぐに眼科医に相談して下さい。
コンタクトを使用しているのであれば、年に一度は眼科医へ行き、コンタクトの使用状況などを相談して、酸素透過性がどうなっているか、確認することも大切です。
角膜混濁になった場合、進行度によりますが、かなり進行している場合、角膜の移植手術を行うこともありますので、早めの受診が大切です。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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