72.涙点プラグについて
3月に入り春らしい陽気となってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
今週のテーマは涙点プラグについてです。
涙点プラグはドライアイの治療方法のひとつです。
パソコンの普及やストレスの増加などにより、ドライアイで悩む人が増えてきています。
ドライアイは何らかの原因で涙の分泌量が不足したり、涙の質に変化が生じて、目の表面の健康が保てなくなった状態の事をいいます。
ドライアイではさまざまな不快な症状が現れます。
主に、目が痛くなる、目が開けづらくなる、目が重たくなる、見えづらくなる、コンタクトレンズがつけられなくなる、目の感染症になる、などがあります。特にコンタクトレンズをしていると、目の痛みに気付かない場合があります。痛みがなくても、定期的に医師の診察を受けることをおすすめします。また、ドライアイが進行すると、涙の量・バランスが崩れて目の表面の細胞がはがれ、傷ができることもあります。
当院で行っているドライアイ治療
① 点眼液による治療
涙液分泌自体を促進させる薬物はなく、人工涙液点眼液で不足した涙液の補充を行う方法です。涙液分泌が少ない為に点眼液に含まれる防腐剤などの添加物による副作用が起こりやすいので、点眼液は添加剤を含まないものを使用しましょう。
点眼だけでは症状が改善されない場合には、眼を温めると症状が改善し楽になります。
当院ではドライアイの治療に「アイホット」という器械を使用できます。
アイホットは皮膚への浸透力のある赤色光を使用したあんぽう器です。
マイボーム腺を温めることにより、脂分の分泌が促進されます。
分泌した油分は目の疲れを癒す最適な油層を目の表面に形成します。
アイホットをご希望の方はお気軽にご相談ください。
② 涙点プラグによる治療
点眼液等を使った治療でなかなか効果が得られにくい場合、涙点プラグを使った治療を行う場合があります。
涙の出口を涙点といい、右眼上下2箇所、左眼上下2箇所の計4箇所あります。
涙は目の表面から蒸発する以外はほとんどが涙点から鼻に出る為、涙点を閉じて涙の流出を抑え、
涙を眼の表面に十分に溜める方法です。
当院ではシリコンとコラーゲンの2種類の涙点プラグを利用した治療をしております。
<シリコンプラグ> シリコン≒プラスチックのイメージ
スーパーフレックスプラグ(ホワイトメディカル)承認番号21200ZY00283000
サイズが豊富なので、小さな涙点から大きな涙点まで対応できます。
特徴:涙をせき止める力が90%と高い。
継続時間:1日から2年半(平均して7ヶ月)くらい
⇒夜寝ている間などにプラグの違和感などで眼をこすり、外れてしまう事があり個人差がある。
<コラーゲンプラグ> コラーゲン≒ゼリー状のイメージ
キープティア 承認番号21900BZZ00027000
コラーゲン製涙点プラグは生体適合性の高いアテロコラーゲンを使用しており、
体温によりゲル化する特性を利用して、充填時には液状のため簡単に充填でき、
涙小管内ではやわらかいゲルとなり刺激が少なく、かつしっかりと涙点を閉鎖できます
特徴:涙をせき止める力が75~80%とシリコンに劣る。
⇒そのため左右4つある涙点中、2つ詰めても効果が実感しにくいため、4つ全ての涙点に入れないと効果が低い。
継続時間:1ヶ月から3ヶ月
⇒水溶性のコラーゲンのため、溶けてなくなったら効果がなくなる。
ドライアイは環境的な要因が大きいため、長期間に渡る医師の管理が必要です。
気になる症状がございましたら、まずは一度受診をおすすめします。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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