700.ステロイドの目薬ってどういうもの?
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
本日のテーマは「ステロイドの目薬ってどういうもの?」です。
ステロイドとは
ステロイドとは、体内の副腎という臓器でつくられているホルモン物質です。このホルモンの作用を応用した薬をステロイド薬と呼び、内服薬、注射薬、外用薬や点眼薬など様々な種類があります。
どんな効果があるのか
ステロイドには強い抗炎症作用や免疫力抑制作用があります。眼科ではステロイド点眼薬とステロイド眼軟膏があり、結膜炎や強膜炎の炎症による痛み、かゆみや腫れなどの症状に使用します。薬によってステロイドの濃度が低いものから高いものがありますが、高くなるにつれ副作用も出てくるため、使用する際には注意が必要です。
ステロイド点眼薬の副作用
・ステロイド緑内障
ステロイドを継続的に使用することで房水の流れが悪くなり、眼圧が上がってしまうことがあります。原因がステロイドであることを除けば、症状は原発性開放隅角緑内障と同じです。ステロイド薬に起因する眼圧上昇は、ステロイド薬をやめることで眼圧が下がることが多いです。眼圧が上がったままステロイドの使用を続けると、失明する可能性もあります。
・ステロイド白内障
ステロイドを長期間、大量に使用すると白内障の発症率が上がると言われています。その原因は現在明確にはわかっていませんが、ステロイドの炎症や免疫を抑制する強い効果が水晶体錆びつかせているのではないかと言われています。
その他にも稀に糖尿病や骨粗鬆しょう症などの全身の病気を招いたり、免疫を抑制した結果感染症にかかりやすくなる場合もあります。
副作用から目を守るためには
ステロイドを使用する上で一番注意しなくてはいけないことは、症状に応じたランクのステロイド剤を専門の医師の処方を受けて使用することです。また、使用期間、使用回数をしっかり確認し、決められたとおりに使い、良くなったら使用を中止しましょう。長期間の使用を余儀なくされそうな場合などは、別の医師の診断を仰ぎ同じ方向性かどうかを確かめて使用することによって副作用から体を守っていけます。
医師から薬を処方され数日後の通院を促された際は、症状の経過や薬の副作用を確認する場合もあるので、しっかりと受診しましょう。
・一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
・無断での記事転載はご遠慮ください。
・本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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