45.睫毛乱生

こんにちは、池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
8月は秋風月というそうですが、まだまだ暑いですね。

今週のテーマは【睫毛乱生】です。

 

睫毛乱生とは     
睫毛乱生とは、まつげの生える向きが不規則なものを言います。まつげの生え方(配列・方向)が悪いために、
黒目が障害され角膜を傷つけたり、角膜混濁などの症状があらわれることがあります。

 

原因
まつ毛が角膜方向を向く原因には、まぶた自体が内向きにまくれ込んでいる眼瞼内反と、
まぶたには問題なく、毛根からのまつ毛の生え方がいびつで角膜側を向く睫毛乱生とがあります。
眼瞼内反には、先天性のものと加齢性(老人性)のものが多く、いずれもまぶたの皮膚のたるみ、
皮下の筋肉の筋力低下などによるものです。先天性のもので、 まぶたの内反の程度が軽く、
皮膚や皮下脂肪が過剰なため、まつ毛の生える方向が内向きである場合、とくに睫毛内反と呼ぶことがあります。
また、睫毛乱生は眼瞼縁炎(がんけんえんえん)など、まつ毛の毛根部の炎症によって引き起こされることが多く、
角膜に当たるまつ毛の数は1本のみの場合から多数の場合までいろいろです。

 

症状
異物感、めやに、まぶしさ、なみだ目、視力障害などの症状があらわれます。
まつげが内向きに生えていると、黒目が障害され角膜を傷つけたり、角膜混濁などの症状があらわれることもあります。

 

治療
先天性の眼瞼内反・睫毛内反の場合、成長とともに1歳前後で自然に治ることが多いので、
それまでは抗生剤の点眼などで様子をみるのが普通です。2歳以上で治らない場合、
さらなる成長に伴い自然治癒することも期待できますが、症状の強さ次第では手術を考えます。
加齢性の眼瞼内反では、まつ毛を抜くと一時的に症状は改善しますが、またまつ毛が生えると同じことの繰り返しになります。
また、抜くにしても、ひと並びのまつ毛全体を抜く苦痛も決して軽くはありません。手術して治すほうが効果的です。
睫毛乱生でも、まつ毛を抜くと一時的に症状は改善しますが、まつ毛が生えるとやはり同じことの繰り返しです。
抜く本数が少なくても、繰り返せば炎症を引き起こす場合もあります。
手術の方法としては、睫毛電気分解(まつ毛の毛根を電気の針で焼く)や冷凍凝固、
また皮膚を切開して筋肉(眼輪筋)や脂肪組織の一部を摘出する切開法や眼輪筋を摘出して縫合する等の、内反症手術に準じた手術があります。
手術をしても簡単には治らない場合もあります。睫毛乱生は、再発することも多くみられます。

  • 上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
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    ●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
    ●無断での記事転載はご遠慮ください。
    ●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
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