33.ヘルペス性角膜炎
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
梅雨空に映えるあじさいが待ち遠しい季節となりました。
さて、今週のテーマは「ヘルペス性角膜炎」についてです。
ヘルペス性角膜炎とは、ヘルペスウィルスが眼の角膜に病気をおこすものです。
ヘルペスウィルスの感染のしかたには特徴があります。
ほとんどの人が子供の頃ヘルペスウィルスに感染しています。
約1割の人は結膜炎などをおこしますが、約9割の人は症状がないままで、感染に気づきません。
感染後、目の奥にある三叉神経節に住み着きます。たいていの人が、その状態のまま一生を終えます。
ところが、ストレス・つかれ・発熱などがきっかけとなってウィルスが目覚めて角膜の表面に出てくると、角膜ヘルペスが発症する場合があります。
他の目の病気とは異なり、よく再発することが特徴で、従って目の感染症の中で、一番失明率が高い病気です。
他の人に伝染することはあまりありませんが、ウイルスに対して抗体を持っていない乳幼児に対しては注意が必要です。
患者さんが自分の目を触った手で、乳幼児に感染させる可能性があります。
<主な自覚症状>
涙が出る、まぶしい、コロコロする、みにくい、黒目のまわりが充血するなどの症状があります。
ほとんどの場合、片方の目だけに起こります。
<主な治療法>
薬による治療が中心です。医師の指示に従って、きちんと治療を続けることが大切です。
▼上皮型→ヘルペスウィルスの増殖を抑えるために抗ウィルス薬を用います。 また細菌感染が起きないように抗菌薬の点眼も使います。
▼実質型→ウィルス増殖と炎症を抑えるためにステロイドと抗ウィルス剤を治療に使います。 ステロイドの使用は正しく行わないと、逆に角膜の病変が悪化することがあります。角膜に濁りが残ると視力回復が難しくなります。視力が著しく下がった場合、角膜移植が必要となることがあります。
ヘルペスウィルスは、治療で症状が消えても神経の奥に潜んでいるため、しばしば再発を起こします。その都度きちんと治療することが大切です。再発を完全に防ぐ方法はありませんが、発症の誘因と思われる体調不良などを起こさないように規則正しい生活を送ることが予防につながります。
(当院では、関連病院と緊密に連絡を取りながら投薬を中心とした治療を行っております。)
●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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