30.コンタクトレンズ装用による角膜炎
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
新緑がきれいな季節ですね。
今週のテーマは【コンタクトレンズ装用による角膜炎】です。
●コンタクトレンズに関する眼の角膜の代表的な病気
①点状表層角膜炎:角膜表面についた細かい点状の傷。角膜表面の細胞が部分的に脱落している状態です。角膜は日々代謝しているので、軽度ならばコンタクトレンズをはずしておけば治癒しますが、傷が大きく、深くなると、角膜浸潤や角膜潰瘍へと進行する恐れがあります。
②角膜上皮びらん:角膜の表面の上皮が部分的にとれた状態を「びらん」といいます。
角膜潰瘍と違って軽症で、あとに後遺症としての視力障害は残らないのが一般的ですが、この角膜びらんを繰り返す再発性角膜びらんという状態になる人もいます。
③角膜血管新生: 慢性的な角膜の酸素不足により、もともとは血管のない角膜に血管が生まれ、酸素不足を補おうとします。自覚症状がほとんどないので気がつかないうちに、進行します。
※ 目の酸素不足が長時間続くと、角膜の透明性を保つ働きをしている角膜内皮細胞(角膜の一番内側の細胞)が減少する恐れがあります。
その他、角膜潰瘍や、アカントアメーバ角膜炎など、長期間治療を要する病気もあります。
<治療>
炎症のある間は、レンズの使用を中止して、点眼治療を行います。
<病気にかからない為の注意>
上記からも、コンタクトレンズを汚れたまま使い続けてはいけません。正しく使わなければ、このような眼病が発症する確率は高くなります。使い捨てレンズは必ず期限を守り、その他のレンズは、毎日の洗浄・消毒は必須です。たとえ定期的に新しいレンズに交換するタイプなどのレンズであっても、ケアを怠ったり、手抜きをしたりすれば、症状が出やすくなります。適切なケアを行なえば、コンタクトレンズは安全で快適なものです。また、レンズの汚れは自分ではわからなくても、眼科医が診れば一目瞭然です。定期検査は必ず受けましょう。
また、コンタクトレンズを使っていても、度数の合ったメガネを持つようにしましょう。コンタクトレンズを使い始めたといっても、メガネがいらなくなるわけではありません。
●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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