18.結膜下出血
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
暦の上では春とはいえ、寒い毎日が続いております。
くれぐれもおからだを大切になさってください。
さて、今週のテーマは【結膜下出血】です。
■結膜下出血とは・・・
結膜下出血とは、結膜下の小さい血管が破れ出血したものです。
程度はさまざまで、黒目のよこがわずかに赤くみえる程度のもから黒目の周囲が真っ赤で、
黒目の下の方には血がたまったようになるものまであります。充血とは違い、赤い線が増えるのではなく、赤く染まったように見えます。
■症状
結膜に存在する大小の血管が破れて、結膜の下に出血が広がります。
小さな点状のものから、斑状、時に眼球結膜全体をおおう広範なものもあります。また、血腫(血ぶくれ)をつくることもあります。
痛みやかゆみ、目やになどの自覚症状ほとんどありません。
通常1~2週間で自然に吸収されてきれいな白目にもどりますが、なかには2~3ケ月かかるものもあります。
■原因と治療方法
①眼局所の要因
眼外傷、手術によるもの・・・穿孔性眼外傷は感染の予防などのため直ちに穿孔部を閉じる必要があります。
なかなか消えない結膜下出血は穿孔性眼外傷が隠れている場合もあります。
急性結膜炎によるもの・・・急性出血性結膜炎、流行性角結膜炎などにおこります。この場合は、痛みや目やに、 涙が増えるなどの自覚症状があります。
②全身性疾患
全身性疾患によるもの・・・動脈硬化、高血圧、糖尿病、出血性素因(貧血、白血病、紫斑病など)、 腎炎にともなっておこります 。
繰り返し結膜下出血がおこる人は上記の疾患の疑いがあります。内科で異常がないかどうかしらべてもらって下さい。
眼底出血がおこることを心配される患者様が多いのですが、ほとんどの場合、結膜下出血がおこった後に眼底出血がおこることはありません。
しかし、上記のような疾患が原因の場合は眼底出血がおこり、失明することもありますので注意が必要です。
急性熱性疾患にともなっておこるもの・・・マラリア、猩紅熱(しょうこうねつ)、ジフテリア、コレラ、発疹チフス、インフルエンザ、麻疹などでも結膜下出血がみられます。
原因疾患の治療を最優先して下さい。
③原因不明のもの
誘因がはっきりしないことも多いですが、いくつかの誘因を挙げておきますと、くしゃみ・せき、過飲酒、月経、水中メガネのしめすぎなどがあるようです。
いずれも、出血自体は、軽度であれば10日前後で自然吸収され白目にもどるため、治療の必要はありません。ただし、眼局所の要因や全身性疾患の場合は、原因疾患の治療が必要です。眼科医に診察してもらい指導をうけましょう。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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常勤: 新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)所属学会:日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴 平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務 -
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