16.眼瞼痙攣

こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
今週のテーマは【眼瞼痙攣】についてです。


Ⅰ,眼瞼痙攣の特徴
眼瞼けいれんとは、目の周りの筋肉が痙攣して、目があけにくくなり、まばたきがうまくできなくなる病気です。
老人や女性に多く、また片眼に起こることが多いと言われています。
脳内の運動を抑制するシステムが機能障害を起こすことによって生じると考えられています。しかし、発症の原因が完全には解明されていないため、症状を抑える治療が中心となっています。

 

Ⅱ,眼瞼痙攣の症状
眼瞼痙攣の初期症状としては、まぶたの不快感、まぶしく感じる、まばたきが多くなる、などがあります。
症状が進行すると、まぶたが頻繁にけいれんし、目をうまく開けていられないため、人や物にぶつかるなど、生活に支障が出るようになります。さらに進行すると自分の意思ではまぶたをあけること  ができなくなり、視力には問題ないのに機能的に盲目状態になります。
症状の進行は早くありませんが、何もしないでいて、自然に症状が軽くなることはほとんどありません。精神的な緊張の影響を受けることも多く、普段は重い症状があるのに、診察室では症状  が出ないという例も見られます。
また、症状は通常、両目に起こりますが、左右差があることも少なくありません。

 

Ⅲ,治療方法
  眼瞼痙攣には、ボツリヌス療法、薬物内服療法、手術などの治療方法があります。
  A) ボツリヌス療法・・・ボツリヌス菌の毒素を痙攣している筋肉に注射する方法です。
  B) 薬物内服治療・・・人工涙液の点眼や内服薬(抗コリン製剤、抗うつ薬など)を投与します。
  C) 手術・・・まぶたの筋肉や皮膚を短くする手術です。
  ※当院では薬物内服治療を行っております。

 

Ⅳ,重症度の判定
  重症度は次の基準で判定します。
  ①  本人の自覚症状のほかに、他の症状が現れていないかどうか
  ②  規則的にかるくまばたきをしたり、速くまばたきをすることができないかどうか。
  ③  強く目をつぶると、開けるときにけいれんが起こり、うまく目が開けられないかどうか。 
  ④  ほぼいつもまぶたが閉じているかどうか。
  ⑤  自分ではまったく目を開けられないかどうか。

 

Ⅴ,その他瞼の痙攣
以下に5つの病気を示します。あてはまる症状があっても、「あ、これだ!」と自己判断せず、専門治療を受診しましょう。中枢神経などに重大な病気が隠されていた場合、とりかえしのつかな  いことにもなりかねません。
1.主に片側のまぶたに生じる
・ミオキミア・・・まぶたの一部が痙攣する病気
・顔面痙攣(がんめんけいれん)・・・片側のまぶたと一緒に同じ側の他の顔面筋が連動して動く病気
・顔面神経麻痺後異常連合運動・・・突然顔半分が動かなくなる神経障害
2. 主に両側のまぶたに生じる
・眼瞼痙攣(がんけんけいれん)・・・両側のまぶたが上下とも等しくけいれんする病気
・開瞼失行・・・眼瞼痙攣がひどくなり、目を開けることができない状態

 

 

●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。

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