1.加齢黄斑変性症について

第1回目の今回のテーマは加齢黄班変性症についてです。
網膜の中でもっとも重要な部分は、ものを見る中心となる黄斑部です。
黄班部は視力にもっとも関わりが深く、色を識別する細胞のほとんどはこの部分にあります。

加齢黄斑変性症は、加齢に伴う黄斑部分変化によっておこる疾患で、高齢者の失明原因のひとつです。
はっきりしたことは分かっていませんが、全身疾患(心血管疾患や高血圧)、喫煙、栄養状態、遺伝などの関与も指摘されています。

網膜の中心部の症状なので、視野の中心のもっともよく見ようとするところが見えにくくなります。
(周辺部の方が比較的見やすいケースが多いです)

病巣が黄斑部に限られていれば、見えない部分は中心部だけですが、大きな出血がおこれば、さらに広範囲で見えにくくなります。

加齢黄斑変性症の発見には、眼底の網膜の状態を詳しく調べる必要があります。
目薬をさして瞳孔を開き眼底部を精査する散瞳検査や、腕の静脈から蛍光色素を注射で入れて眼底部を調べる蛍光眼底検査などが行なわれます。
蛍光眼底検査では、蛍光色素によって血管だけが浮き彫りになった画像が診れますので、血管の弱い部分やつまったところ、新生血管と呼ばれる異常な血管がわかります。

治療法としては新生血管をレーザー光で焼き固める光凝固術が主です。
レーザーを使いますが安全な治療法ですので心配はありません。
また、大量の出血や中心にある新生血管に対しては、これらを除去する手術(硝子体切除術)を行なうこともあります。
また、出血の予防のために止血薬を用いたり、網膜に栄養を与えるためビタミン薬を用いたりすることがあります。

黄斑変性症は、早期に治療を開始すると、良好な視力が保たれる傾向にあります。
定期的に眼の診察を受け、バランスのとれた食事を心がけましょう。

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