涙点プラグとソフトコンタクトレンズ

どのソフトコンタクトでも眼が乾く方に、涙点プラグ併用の可能性について

はじめに

「コンタクトレンズをつけているときに、眼が乾くと感じる」
コンタクト装用者にアンケートを調査した結果では、多くの人が眼が乾くと答えました。さらに、眼が乾くと答えた人のうち、半数以上がコンタクトレンズをつけているときにだけ、乾くと答えています。
コンタクトレンズを使いたいが、乾きが気になる時、ひとつの可能性として【涙点(るいてん)プラグ】を考えてみましょう。

涙点プラグとは?

左右の眼の上下に存在する涙の排出口を涙点(るいてん)といいます。
下記の図では、涙の約10%は眼から蒸発しますが、蒸発しなかった大部分の涙はここから排出されます。

涙点プラグは、この排出口をふさぎ眼に涙を留め潤す治療方法です。

涙点プラグの種類

涙点プラグにはいくつか種類があります。当院では、下記3種類の涙点プラグをご用意しております。

シリコン製プラグ

シリコン≒プラスチックのイメージ。

【効果】涙をせき止める力が90%と高い
【継続時間】1日から2年半(平均して7ヶ月)くらい
※夜寝ている間などにプラグの違和感などで眼をこすり、外れてしまうため個人差がある

【注意点】
・入れた後違和感がある場合が多く、慣れるのに1~2週かかることがある。
・まれにプラグの先端が白目(結膜)にあたり、傷を作ることがある。※この場合2.3日で鼻側の白目が充血し痛みが出るため、来院し抜去する。
・上下左右4箇所プラグをいれると、涙の出口が殆どなくなるため、眼は潤うが、逆に涙があふれたり、眼脂が増えたりすることがある。
◎プラグそのものの涙を止める力は大きいため、うまくつきあうことが出来ればとても優れた涙点プラグです。

コラーゲン製プラグ

体温により温められるとゼリー状に固まる液体を注入します。
コラーゲン≒ゼリー状のイメージ。

【効果】涙をせき止める力は75~80%。(シリコン製プラグには劣る)
そのため、4つある涙点のうち2つ詰めても効果を自覚しにくいため、4つ全ての涙点へ入れないと効果が薄い。
【継続時間】1ヶ月から3ヶ月
※コラーゲンのためとけてなくなったら効果がなくなる。

【注意点】
・シリコンプラグより効果は弱く、効いている時間も短いため使い捨て感覚。
・強く鼻をかみすぎると取れる場合がある。
◎シリコン製が怖い方、シリコンプラグが合わない方、乾燥の強い季節の時期だけ限定して使用している方が多いです。

コラーゲン製の涙点プラグ

涙とソフトコンタクトレンズの関係

涙は眼とコンタクト間の潤滑液としての役割や、眼に付着している細菌やゴミを洗い流す役割があります。涙が少ないと、眼とコンタクトが擦れて角膜が傷つくことや、細菌による重篤な眼感染症に繋がる恐れもあります。

ソフトコンタクトレンズをつけるとどうして涙が不足するのか

コンタクトレンズは角膜(くろめ)の上にのっていますが、角膜とレンズの間には涙があり、ちょうど潤滑剤の働きをしています。むしろ、コンタクトレンズは涙の海に浮いているイメージです。
ソフトコンタクトレンズは、乾燥しないように眼から涙を吸収して形を保っていますが、レンズに含まれる水の量(含水率)が高いレンズは、涙を吸い取られる量が多く、乾きやすいです。

涙点プラグとソフトコンタクトレンズ併用のメリット・デメリット

涙点プラグを使用することによるメリットは、コンタクトレンズ装用による眼の乾燥感が軽減する点です。
デメリットについては、涙点をふさぐことにより老廃物が眼に蓄積しやすくなってしまう点です。人間の眼は涙を排出する際、眼にたまった老廃物や埃・異物なども一緒に排出しておりますので、涙をとどめることは良い点ばかりではありません。
眼に汚れが蓄積した状態でコンタクトを使用すると、コンタクトにも汚れが付着しやすくなります。その汚れが原因で、アレルギー反応など 眼にさまざまな影響を及ぼすことがあります。

涙点プラグとコンタクトレンズを併用する場合、どんなレンズがよいか

おすすめは使い捨てタイプ

上記のデメリットで申しましたように、コンタクトレンズの使用期間が長いほど、より一層汚れが蓄積しやすくなるため、涙点プラグと併用する場合、使い捨てタイプが向いています。同じ理由で使用期間は短いほど汚れは蓄積しにくいので、2週間タイプよりは1日タイプがおすすめです。

シリコン製のコンタクトレンズは…

シリコン素材のコンタクトレンズは従来素材のコンタクトレンズに比べて、涙を吸収されにくいので乾燥しにくいというメリットがあります。しかし、化粧品などの油汚れに弱いというデメリットもあります。プラグで涙をせき止めると汚れがつきやすいという可能性もあります。医師と相談の上でどのようなコンタクトレンズを使用すればよいかを決めるとよいでしょう。

治療の流れ

コンタクトレンズ使用者で 眼の渇きを訴え、しかもコンタクトレンズ装用の必要性が高く、コンタクトレンズをしながら点眼治療を併用しても効果が不十分な患者さんが 涙点プラグ治療を希望する場合に、初めて涙点プラグを検討します。涙点プラグの必要性がデメリットを上回ると医師が判断した場合、問題がなければ涙点プラグを挿入します。(医師によっては許可してもらえない場合もあります)
挿入時は、医師が細隙灯顕微鏡(スリットランプ)で確認しながら行います。

スーパーフレックスプラグの場合は、まず涙点の大きさを確認しますが、測定からプラグを挿入するまでの時間は数分です。
最後に、プラグが表面に突出していないかを確認します。
全体では15分~20分程度です。

涙点プラグとコンタクトレンズの併用は、コンタクトレンズの種類や薬の使用等、医師と相談し、適切な方法で行って下さい。

涙点プラグの価格帯について

シリコン製とコラーゲン製で差はほとんどありません。
左右2点→\6000~\8000程度
左右4点→\12000~\15000程度

その後のアフターケア

その後、医師の指示があれば来院する必要があります。

こまめな洗眼
涙をためる分、不要なものを流出させる率が悪くなりますので、防腐剤の入っていない涙液タイプの目薬で眼をこまめに洗いましょう。(水道水や洗眼液の使用は避けましょう。)たっぷりと点眼して、洗い流すように使用します。

強くこすらない
強くこすったりすると眼を傷つけてしまったり、外れてしまったりします。

違和感や異常が出たら、すぐに眼科へ
痛み、腫れ、違和感、ごろごろする、充血、目やにが増えた、かゆみがあるなどの症状がみられたら、眼科を受診しましょう。
サイズや形が合わない場合は、眼の表面を傷つけてしまう場合がありますので、装着しなおすか、あるいは外す必要があります。

最後に医師より

「コンタクトの定期検査に行くと、いつも角膜に傷があるのでコンタクトレンズの装用を中止して下さいと言われてしまい、眼鏡装用での生活が続くのは不便なのでレーシックを考えています。」と、相談に来院される方がよくいます。レーシックを望んでいる方は良いと思いますが、レーシック手術を悩んでいるのであれば、一度眼科でドライアイの検査をきちんとして、必要があれば点眼治療や涙点プラグの治療を行ってみることをお勧めします。

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