中心性網膜症
中心性網膜症の解説です。
中心性網膜症は、網膜の中心部に水がたまって浮腫になる病気で、ストレスの関与が示唆されています。
中心性網膜症とは
中心性網膜症とは、中心性漿液性網脈絡膜症(ちゅうしんせいしょうえきせいもうみゃくらくまくしょう)の略となります。
網膜の中心部にある黄斑に浮腫が出きて起こる症状です。
中心性網膜症の原因
網膜は、外から入ってきた光が像を結ぶところです。特に黄斑部は物を見るうえで最も大切なところです。
この網膜の外側に、栄養分を供給する血管の豊富な脈絡膜と呼ばれる組織があります。
通常は、この脈絡膜を網膜色素上皮層と呼ばれる層が水漏れを防いでいます。しかし、何らかの原因でこの色素上皮の機能が弱まることがあります。そうすると、脈絡膜の血管から血液中の水分が色素上皮層からにじみ出て、網膜下に水が溜まることで浮腫が生じます。
網膜が浮き上がった状態になり、限局性の網膜剥離と呼ばれる状態になってしまいます。
ストレス社会が引き起こした病気であると言われていますが、正確な原因はわかっていません。
両眼同時に発症することは稀で、通常は片眼に発症します。
神経症、腎症そして網膜症が代表的な合併症ですがその他にも心筋梗塞、脳梗塞、狭心症等があります。
中心性網膜症の主な自覚症状
物を見ようとすると、中心部が暗く、または白くかすんで見えにくい、ゆがんで見える、視力低下、などの症状が出ます。
中心性網膜症の検査方法
眼底検査 |
眼底にある網膜の状態をくわしく調べるために行います。検査の前に目薬をさして瞳孔を開き、検眼鏡を通じて主に視神経や網膜を観察する検査です。眼底疾患の有無を調べることが出来ます。検査の前に目薬をさして瞳孔を開きます。まぶしさを感じたり近くが見えづらい状態が約3~6時間続きますが、自然に元に戻ります。
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蛍光眼底検査 |
蛍光剤を血管内に送り込み、眼底の血流状態を写し出す事が出来るため、上記の眼底検査よりも精密な眼底写真を撮る事が出来ます。新宿東口眼科医院にてそれに準ずるDRI OCT Triton(3次元眼底像撮影装置)を使用した血管造影検査(AngioGraphy)の検査を行っております。
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DRI OCT Triton(3次元眼底像撮影装置) |
近赤外線を利用した眼底の検査機器で、これまで行えなかった網膜の断面の観察が出来るようになり、網膜疾患、特に黄斑部病変の精密な診断が早期かつ正確に行うことができます。
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中心性網膜症の治療方法
この病気は、たいていは半年程で自然に治る傾向があります。
しかし、黄斑部の腫れを長く放置すると、治癒しても視力が元に戻らなくなる場合もあります。
再発しやすいため、眼科医のもとで経過観察をするのが基本です。
一般的には消炎薬、循環改善薬、ビタミン剤などの内服で、黄斑部の腫れをとる治療が行われます。
内服治療で症状がなかなか改善されない場合、光凝固術を行うことがあります。
これは、網膜色素上皮の弱まっているところをレーザーで焼いて補強するためです。
当院でも光凝固術をうけることが可能ですが、この疾患においてこの処置を行うことは稀です。
レーザー光凝固術
この治療で視力が回復するわけではありませんが、網膜症の進行を阻止することができています。