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網膜剥離

網膜剥離の解説です。

網膜剥離とは

網膜剥離とは、神経網膜(光を感じる層)が外側の網膜色素上皮細胞から剥がれて、硝子体の中に浮き上がってしまう病気です。

網膜剥離の主な原因

中高年者の場合

加齢による硝子体の変化
目の内部を満たす硝子体は通常ゼリー状ですが、加齢により一部が液状化し、 ゼリー状の硝子体が眼球の動きに連動して移動するようになり、その際硝子体に網膜が引っ張られると、裂け目(裂孔)ができ、網膜が浮き上がって剥がれます。
この現象は、加齢変化による生理的なものです。

若年者の場合

目の外傷
スポーツではボクシングの選手が引退に追い込まれることで有名です。
また、テニスや野球などボールが当たった衝撃で起こることもあります。

その他

網膜に穴があかない網膜剥離として、糖尿病から起きる「牽引性網膜剥離」、炎症による「滲出性網膜剥離」があります。
また、強度の近視からくる「黄斑円孔網膜剥離 」やアトピーが原因となる網膜剥離もあります。

網膜剥離の主な自覚症状

網膜剥離の初期症状
飛蚊症(小さなゴミや虫、髪の毛のようなものが見える症状)
光視症(光がないのにチカチカ光のようなものが見える症状)
●視野欠損(カーテンに覆われたように物が見えにくくなる症状)
視力低下
上記があげられます。痛みがないことから、気付かない事も多いようです。症状が出ない場合もあります。

網膜剥離の主な検査方法

視力検査をして、その後、眼底の詳しい検査をします。
※眼底検査・・眼底にある、網膜の状態を詳しく調べるために行います。
検査の前に、目薬をさして瞳孔を開きます。まぶしさを感じたり、近くが見えづらくなる状態(個人差がありますが約5~6時間ほど)が続きますが、自然に戻ります。

DRI OCT Triton(3次元眼底像撮影装置)

DRI OCT Triton(3次元眼底像撮影装置)とは、網膜(カメラで例えるとフィルムにあたる部分)の断層画像を撮影する検査です。
このOCT検査により、診察だけでは分かりにくい網膜の状態を明らかにし、網膜の病気に対する治療方針の決定や、治療効果の判定に役立てることができます。
OCTを必要とする代表的な疾患は、黄斑円孔、黄斑前膜、糖尿病黄斑症、黄斑浮腫、加齢黄斑変性、網膜剥離、緑内障などです。

網膜剥離の主な治療方法

レーザー光凝固術

裂け目ができた状態ではレーザー治療で裂け目の周りをレーザーにて焼き固め、それ以上剥離しないようにして治療します。

網膜剥離の手術

網膜剥離が生じレーザー治療では治療し得ない場合は、外科手術になります。手術には強膜内陥術、硝子体手術があります。
手術の場合は剥離の程度、術式、また施設によって異なりますが、1~2週間の入院が必要です。

網膜剥離は、毎年1万人に1人くらいの割合で発症するといわれます。網膜剥離は、そのまま放置すると失明の危険性がありますが、早期に発見して、適切な治療をすれば視力が回復します。

上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。

池袋サンシャイン通り眼科診療所の専門医紹介

常勤新川 恭浩(日本眼科学会認定 眼科専門医)

新川医師
所属学会
日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴

平成13年 熊本大学医学部 卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 勤務

定期非常勤上田 高志(日本眼科学会認定 眼科専門医  医学博士)

所属学会
日本眼科学会、Association for Research in Vision and Ophthalmology
経歴

平成14年 東京大学医学部医学科卒業

平成17年 東京大学医学部附属病院研修医

平成24年 東京大学医学部附属病院眼科助教
平成27年 Massachusetts Eye and Ear Research

 

平成30年2月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 非常勤医師就任

主な論文

Intense physiological light upregulates vascular endothelial growth factor and enhances choroidal neovascularization via peroxisome proliferator-activated receptor γ coactivator-1α in mice.

Comparison of robot-assisted and manual retinal vessel microcannulation in an animal model.

定期非常勤姜 正信(カンジョンシン)(日本眼科学会認定 眼科専門医)

経歴

2012年3月 鹿児島大学医学部卒
2012年4月 聖路加国際病院初期研修
2014年3月 聖路加国際病院眼科後期研修
2024年10月 池袋サンシャイン通り眼科診療所 非常勤医師就任

定期非常勤奥山 真也(日本眼科学会認定 眼科専門医  医学博士)

奥山医師
経歴

2003年 新潟大学医学部卒
2003年 新潟大学病院 眼科学教室 入局
2009年 新潟大学医学部大学院卒
2004年 鶴岡市立荘内病院 眼科
2009年 長岡中央綜合病院 眼科
2011年 新潟県立十日町病院 眼科
2012年 長岡赤十字病院 

主な論文

Protective effects of free radical scavengers on transient ischemia-induced retinal ganglion cell death