ステロイド緑内障
ステロイド緑内障とは
ステロイドホルモンを含む薬物を継続的に使用すると、房水の流出が障害されて眼圧が上がることがあります。
このように、ステロイド剤で発症する緑内障をステロイド緑内障と呼びます。
ステロイド剤が原因であることを除けば、病態は原発開放隅角緑内障と同じです。
ステロイド剤の中止によって房水の流出が正常になり眼圧が下がることが多いのですが、もともと原発開放隅角緑内障などの緑内障が存在していたと思われるケースもあり、必ず眼圧が正常化するとは限りません。
眼圧の状態によって眼圧を下げる治療が必要になります。
この緑内障の起こりやすさには薬物の種類・投与方法、体質が関係することがわかっています。
原因
原因はステロイド剤の使用です。
ステロイドといっても様々な薬物がありますが、効果の強いデキサメタゾンやベータメタゾンは効果の弱いフルオロメトロンなどと比べると眼圧を上昇させやすいです。
また、内服などの全身投与と比べると、点眼や眼瞼への軟膏塗布などの局所投与の方が眼圧の上昇をきたしやすいといわれています。
眼圧が上昇しやすい体質の人をステロイドレスポンダーと呼びます。(steroid responder:反応しやすい人という意味)
ステロイドレスポンダーの人は強いステロイドの点眼薬を1~2週間続けただけで眼圧が高くなってしまうことがありますが、ステロイドレスポンダーでなくても長期にわたるステロイドの使用は眼圧を上昇させる危険があります。
ステロイド剤は白内障術後やぶどう膜炎などの眼内炎症の場合はもちろん、花粉症などのアレルギー性結膜炎やアトピー性皮膚炎などかなり広範囲の疾患に使用されていますので、連用する場合には定期的な検査が必要です。
主な治療方法
ステロイド薬に起因する眼圧上昇は、可能な場合、ステロイド薬をやめることで眼圧が下がることが多いようです。