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続発性緑内障

続発性緑内障とは

眼のけがや、緑内障以外の眼の病気(ぶどう膜炎など)や、糖尿病などの全身の病気や、副腎皮質ホルモン薬(ステロイド薬)などの薬物によって眼圧が上昇し引き起こされる緑内障のことを続発緑内障といいます。

原因

原因は多岐にわたりますが、閉塞隅角型と開放隅角型の2つに大きく分けることができます。

■閉塞隅角型(前房隅角が虹彩にふさがれて、房水の流れが悪いタイプ)の続発緑内障の原因としては、

・水晶体の亜脱臼
・ぶどう膜炎の炎症により隅角が閉塞した場合
・眼球内の悪性腫瘍や網膜剥離などの手術後


などがあります。
いずれも、原因となる疾患によって虹彩が押し上げられ、隅角が閉塞することにより、眼圧が上昇します。

■開放隅角型(前房隅角はひらいているが、房水の流れが悪いタイプ)の続発緑内障の原因としては、

・糖尿病に伴うもの
・白内障やぶどう膜炎などそのほかの眼の病気に伴うもの
・外傷性のもの


などがあります。

糖尿病やほかの網膜症では、網膜症の悪化により酸素が行き渡らなくなるために、房水の排出口である隅角に新生血管という新しい血管がのびてくることで眼圧が上昇するとされています。

白内障やぶどう膜炎は、炎症を起こして眼圧が上がります。

外傷性は、眼球を強く打ったあとしばらくしてから、虹彩のつけ根が眼球壁から外れ、老廃物をろ過する網目状の線維柱帯(せんいちゅうたい)の機能が悪くなって眼圧が上がります。

また、高齢者に多くみられる続発緑内障のひとつとして落屑緑内障(らくせつりょくないしょう)があります。

診察では開放隅角型がほとんどで、虹彩、水晶体、隅角などに白いフケのようなものが沈着しているのが観察されます。
高年齢に多く、眼圧が高め(30~40mmHg)なのが特徴です。

症状

一般的に自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行していることが多くあります。
視神経の障害はゆっくりとおこり、視野(見える範囲)も少しずつ狭くなっていくため、目に異常を感じることはありません。しかし、急性の緑内障では急激に眼圧が上昇し目の痛みや頭痛、吐き気など激しい症状をおこします。
時間が経つほど治りにくくなるので、このような急性閉塞隅角緑内障の発作がおきた場合はすぐに治療を行い、眼圧を下げる必要があります。

主な治療方法

原因となる病気の種類や、開放隅角型か閉塞隅角型かによって治療法は異なります。

原因の病気の治療と、眼圧を下降させるために薬物療法、レーザー治療、手術療法を適宜行います。
ステロイド薬に起因する眼圧上昇の場合は、可能な場合はステロイド薬をやめることで眼圧が下がることが多いようです。
ぶどう膜炎ではステロイド治療による消炎、血管新生緑内障では網膜へのレーザー治療や手術、水晶体が原因の場合は白内障手術などが必要です。また、落屑緑内障ではレーザー治療が有効であることが知られています。

原因疾患が鎮静化せず高眼圧が続く時は、降圧のために緑内障手術治療も必要になります。

担当医紹介

常勤: 新川 恭浩 (日本眼科学会認定 眼科専門医)

定期非常勤: 上田 高志 (日本眼科学会認定 眼科専門医  医学博士)

定期非常勤: 中尾 真紀 (日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)